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精神障害が及ぼす「生活のしづらさ」

公開日:2022/01/28
  最終更新日:2022/02/01

課題:精神障害が及ぼす「生活のしづらさ」について、まとめなさい

規定文字数:500字
本文文字数:600字

精神障害者は通院しつつ社会生活をする者と、任意、及び措置における短期・長期いずれかの入院生活を余儀なくされ、やがて退院に至る場合と多岐にわたる。おおよそ、他者と積極的に交わる機会は乏しく、何らかの心の負担を回避するため、外出にも過剰な緊張が伴う。そのため、自宅、自室に引きこもりがちになってしまう報告は多い。そもそも、身体を動かすこと自体がおっくうであり、自炊・洗濯・掃除、また、整理整頓をする意志も気力もなく、多くの場合、その住まいは足の踏み場もなく、乱雑、かつ不衛生であることが多い。また、聴音や気配に関して過敏となり密かに悪口などをささやかれ、うわさになってはいないか、など妄想的な懐疑に陥っていることも少なくない。自ら呪縛するごとく、常に自分の決めた店で決めた食料しか購入できず、摂取栄養の極端な偏よりや、過食・摂食などの問題も生じる。さらに、例えシャワーであっても入浴すること自体が辛く、3~4週間、身体を洗わず過ごすケースも多い。同居者などがいる家庭では、次第に彼らも疲弊し、怒鳴りつけるなどのいさかいが日常茶飯に生じるようになる。以上は、精神障害に伴う「生活のしづらさ」の代表的事例である。精神障害者のケアに関わる専門職にある者が心得ておくべきは、精神障害者の心の基盤にあるものは、「本当はもっと自由にしたいが何ごとにも過敏であり、気遣いをしすぎてできない。」という認識である。

参考文献

  • PDF│平成 17 年度厚生労働科学研究補助金(厚生労働科学特別研究事業)「精神障害者に対する効果的福祉サービスのあり方に関する研究」総合研究報告書 発行日:平成 18 年(2006 年)
    第2章 精神障害をもつ人の生活の困難の特徴

    ●研究者・研究協力者一覧
    主任研究者 高橋 清久(藍野大学)
    分担研究者 伊藤 順一郎(国立精神・神経センター 精神保健研究所)

    ●研究協力者[あいうえお順]
    秋保 明(仙台市障害企画課)
    東 美奈子(地域生活支援センター「ウィング」)
    上ノ山 一寛(社団法人日本精神神経科診療所協会)
    門屋 充郎(帯広ケアセンター)
    河田 珪子(うちの実家)
    工藤 一恵(岩手県健康福祉部障害福祉課)
    後藤 雅博(新潟大学)
    澤 温 (社団法人日本精神科病院協会)
    佐藤 和博(社会福祉法人魚沼更生福祉会 障害児者生活支援センター「かけはし」)
    島村 聡(那覇市健康福祉部)
    末永 カツ子(東北大学)
    曽根 直樹(ひがしまつやま市総合福祉エリア)
    武田 牧子(社会福祉法人桑友)
    土屋 健弘(社会福祉法人西陣会 京都市北部障害者地域生活支援センター「きらリンク」)
    寺田 一郎(全国精神障害者社会復帰施設協会)
    中島 秀夫(甲賀地域ネット相談サポートセンター)
    仲野 栄(社団法人日本精神科看護技術協会)
    西尾 雅明(国立精神・神経センター精神保健研究所)
    深谷 裕(国立精神・神経センター精神保健研究所)
    山本 深雪(大阪精神医療人権センター)
    吉田 光爾(新潟医療福祉大学)
    URL:https://www.ncnp.go.jp/nimh/chiiki/documents/20061228_guidebook_2.pdf

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