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災害時に求められる福祉対策対応

公開日:2022/01/28
  最終更新日:2022/05/11

課題:災害時に求められる福祉対策対応の考え方をまとめ、福祉専門職になりゆくあなたの意見を述べなさい

規定文字数:2000字
本文文字数:2200字

我が国、日本は、周囲を4つのプレートで囲まれた島国であり、過去、大地震が多発してきた歴史を持つ。近年、阪神淡路/東日本大震災、熊本地震、大型台風などの自然災害による、家屋倒壊・火災・津波、土砂災害、水害などが発生した都度、甚大な被害をもたらし、膨大な犠牲者や被災者数が報告されている。

日本学術会議では東日本大震災直後より4/15まで緊急提言第1次から6次までを策定した。その第3次のなかで、2-5 高齢者や障害者への福祉・健康・医療支援、及び2-8 被災者の心身回復への支援、2-9 言語弱者に対する情報伝達の配慮などが社会福機関・団体に求められた。

災害時における被災者に対する社会福祉の観点からの取り組みは、
①生活再建
②住民の参加と協働によるコミュニティ形成と絆の強化
③地域包括支援と総合相談体制の整備
④被災者と福祉人材の確保
の4点となる。

④に関する「生活相談員」として、単なるお話し拝聴に終わるのではなく、被災者の現状のメンタルストレス傾聴から、段階的に今後の生活再建に向けた具体的かつ有効的な支援とすべく、各連携期間対して専門的な知識や経験を持つ「精神保健福祉士」が、その連携のかなめの役割を担うことは、最も迅速に、被災者支援につながると考察される。

メンタルヘルス課題は、精神医療関係者。身体障害は介護支援関係者。生活再建は社会福祉士。実際の住まいなど今後のことは、行政機関関係者などに、エスカレ―ションしバトン渡しのごとく担当者が次々と変化するよりも、最初から最後まで、トータルでひとりの精神保健福祉士が各被災者の担当になれば、スムーズな連携が図れると考える。

しかしながら、その場合、ひとりの精神保健福祉士に求められる労働時間や対処案件が集中するため、やはり、一定の力量を備えた精神保健福祉士人材の、さらなる量の担保が必須である。

従って、各精神保健福祉士の国家資格合格以後、実際のさまざまな支援者の実例を経験し、常に新たに変化する国の精神保健福祉に関する取り決めや、支援範囲などを把握し自己研鑽が要されると認識する。

以下は、今後、精神保健福祉士を目指す者としての、独自の見解を記する。

今般のCOVID-19による感染拡大は、自然災害に分類されるとの有識者の提言がある。定額給付金に関して、実態を調査すると、さまざまな相談内容のなかに、ステイホームという周知の言葉の裏側に、DV被害者急増ということは、日本のみならず世界的な問題になっている。

おもに女性の立場から、登校できない子どもたちの母親、また、失業、または休業、テレワークを余儀なくせざるを得ない、世帯主の配偶者たる妻たちの、非痛の叫び、または声を上げることもできず、独り悩みを抱え追い詰めた境遇にある多数の弱者が存在している。

また、DV被害から避難し、各地方自治体の婦人相談所や男女参画センターに助けを訴え、しかるべき縁者の世帯や、支援施設に基準日に居住している場合は、マイナンバーカードによるオンライン申請が受理された場合を除き、給付金申請書が現住所の世帯主の元に、世帯構成員として自動的に送付される。

しかし、住民票がDV加害者、つまり、婚姻関係にあるならば夫か妻、パートナーとするなら男性か女性、個々の事例により異なるが、ある程度身体が大人並みに成長した思春期の子どもを含め、避難しない、できない被害者の存在は実際多数に上る。

「この世帯を出たら生きていけない」という客観的判断として、「個々の思い込み」などの誤認識により、行動できないDV被害者やその子どもの給付金は、DV加害者の世帯主の懐に入ってしまうという問題が浮上している。

しかし、総務省管轄の特別給付金の策定では、避難には至らず同居が可能とみなし、同一世帯、同一生計にある場合は、世帯主名義の口座に世帯構成員分をまとめて、振り込むといういわば線引き処理が為されている。

こうした個々の事情を身体的にも心理的にも、心身同一に健全な状態であることを保護する、という目的に対し精神保健福祉士は、社会的弱者の真の声を政府のガイドラインではカバーできない、隙間の部分において、「微に入り細を穿うがつ」という役を担う。

いわば、閉ざされた1室の裁判所ではなく、開かれた社会という現場における法定弁護人、代理人であり、新たな策案を上申できる唯一の専門性を持つ。国家資格保持者であると思われる。

また、防災における観点では、いざという際の避難リュックの備え完備の世帯数は、日本国内では約10%という現状であり、防災知識・耐震・訓練などの対策は極めて立ち遅れている状況にある。

具体例として、我が国の未来を担う幼い園児や児童たちが、園庭や校庭で遊んでいる時に、警報ベルを試験的に鳴らすと、子どもたちは、より建築物倒壊の危険性が高い、園舎/校舎の自分の机などの下に戻ってしまうのが現状である。

しかし、その場合、各自がとるべき正しい行動は、園庭・校庭に留まることであり、最終的に、各教諭の引率により、安全な園庭や校庭への非難指示となるためである。

最適な防災への備えは、専門的知識を持つ防災指導員・講師の指導や、講演会により、前述例を筆頭に、正しい自助の改善を広く行き渡らせる、積極的な周知⇒教育・啓蒙けいもう⇒意識改革への定着が望まれ、その提言ができるのは、各地域住民にもっとも至近に存在する精神保健福祉士の役割であるとの考察に至る。

参考文献

  • 1-PDF形式│厚生労働省ホームページ⇒福祉・介護タグ⇒1災害時における福祉支援体制の構築について⇒(前術内容―整備について)
    URL:
    https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/0000209712.pdf

  • 2-PDF形式│日本学術会議 [社会学委員会] [社会福祉分科会] 
    提言 災害に対する社会福祉の役割 ―東日本大震災への対応を含めてー 平成25年(2013年)5月2日
    委員長 白澤 政和 第一部会員 桜美林大学大学院老年学研究科教授
    以下、副委員長・幹事含む,連携会員14名(学長・教授) 作成事務担当 参事官3名
    URL:https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-t172-1.pdf

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