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地域共生社会を実現するためのアイデア


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公開日:2022/01/28
  最終更新日:2022/02/01

課題:あなたが生活している地域において、地域共生社会を実現するためのアイデアを提案しなさい

規定文字数:2000字
本文文字数:2200字

昨今の精神保健福祉法の改変に伴い、1997年に制定された精神保健福祉士が担う役割の中核として、地域支援ネットワーク強化が挙げられるのはいうまでもない。それらを支えるためには、まずハード(箱)部分として、精神疾患に特化した医療機関・身体合併症治療可能な施設・精神保健福祉センター設置、あるいは各増設の課題は、いかんせん国庫予算が関与する行政管轄である。また、ソフト(内容)としての精神医療福祉に関わる専門スタッフの人材確保と拡大に関しても同様と言わざるを得ない。ただし、具体的に精神保健福祉士がそれらに対し訴求できることは、実際の現場のニーズや実例を最も熟知している全国の精神科ソーシャルワーカーからなる、それぞれのセグメントをつなぎあわせたひとつの大きな協会組織を創設し、その権利と地位を不動のものにするという施策が必要というアイデアを提案したい。今、自分が働く、神奈川県平塚市の公式ホームページを閲覧する限り、精神保健分野に関する部分がどこにも表示されていなことは、誠に遺憾である。平塚市にも、必ず精神疾患者は存在し、家族との縁が薄く長期入院を余技なくされている患者はいるはずである。また、家族内に社会に参画できず、引きこもった状態の精神疾患者を抱え、悩んでいる本人とその家族の存在は割合として、必ず有ると想定される。そういった人々が、もっと気軽に行政サービスを利用できるよう、入口としての解決への糸口となる相談センター設定と、その公示が必要である。市役所庁舎内、あるいは別棟として、新たな「精神保健相談窓口」を創設し、必要な精神保健福祉士をもちろん有償にてシフト、または常駐として在籍させ、市民の困難とする悩みや問題解決を広く受け入れ、ひとりでも多くの精神疾患者に救済の手を差し伸べなくてはならない。そして、その公示を市内の各市制管轄施設内や、市報、Web上で世間一般に広く公開する運びは必須である。地域に根付いて活動をする精神保健福祉士として、市長への直談判、あるいは所轄部門をとおして、その意向を伝え、具体的なプロジェクト推進を発足する行動が求められる。市内における、高齢者のための範囲も包括し、社会福祉士との連携とともに精神保健の基盤となる、訪問サービス・福祉サービス・ケアマネジメントのための人材確保も必須である。また、施設の閉鎖性と地域住民の偏見から生じる、施設コンフリクトという、地域に新たな精神疾患者・高齢者などが入居する、グループホームなどの社会福祉施設を新設する際の、地域住民の理解を得るための交渉役も、精神保健福祉士の大きな役割のひとつと考える。具体的には、薬物・アルコール依存症のリハビリテーション施設や、認知症高齢者グループホームなどがその例である。医療機関だけでおこなえるという縛りはないのであれば、それらに精通し、豊富な知識と経験を持つ講師を置き、段階的なケアプログラムを提供さえできると思われる。解決の方法としては、一方的な「理解」を求めるという形ではなく、関係者・行政組織を含め何度も会合などを重ね、時間をかける「信頼」の構築が大切である。また、施設と地域住民の対立ではなく「共生」という概念を育んで、相互理解を深めていくことが肝要である。また、こうした偏見が患者をとりまく家族内に存在するケースでは、社会的入院が余儀なくされ、精神疾患者を地域へ開放するという課題に対しても、何度も足を運び家族の意識を変容させ、理解と信頼を得るよう、粘り強い意志と行動が必要になることはいうまでもない。また、専門的知識とスキルを持つ支援員人材の育成・担保と、質の向上も課題である。支援員を有償として資格が必要であれば、その掛かる費用の助成金制度も応用すべきである。行政に頼るだけでなく民間業者との積極的な連携体制の構築と、当事者中心組織を基とした、人材育成・現存の人的資源活用を活かし、地域支援を担う人材として、ここが大きなポイントであるが、有償としての「精神福祉ボランティア」の構築・育成を推進するのが要である。同時に、短時間であってもボランティアとしての人材の受け入れ態勢を構築し、募集をかけることも無意味ではない。世間には、空いた時間を何らかの有意義な貢献に変えたいと思っている、稀有な人材の存在も少なからず有るはずである。行政における人材増加は難しいという現状を踏まえ、地域としての独立した何らかのNPO法人的機関を創設する試みも考えられる。そこでは、授産施設として、精神障害者の日中のわずかであっても社会参画、加えてコミュニティの場を提供するという目的がある。また、精神障害者の障害年金受給や就労支援において、地域の社会福祉士や、専門コーディネーターとの連携を行う場を設けることも必要である。わが国において地域精神保健医療福祉は、近代になってようやく始動したと言っても過言ではない。事実、試行錯誤と発展途上の段階であり課題は山積状態である。しかし、地域精神保健福祉施策の重要な理念として、精神疾患者の社会的排除という概念を改善し、すべての人々を社会構成員として包摂し認可していくという、ソーシャル・インクルージョンの概念を目指し、相互理解を深め、障害者の地域参画に理解を示す「心のバリアフリー」を早期に実現させるべく、日々地域における精神保健医療福祉業務に邁進まいしんすべきとの考察に至る。

参考文献

  • 特集「地域保健の現状と課題」 地域精神保健医療福祉の現状と課題
    土田 英人 京都府精神保健福祉総合センター 京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学
    http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/jkpum/pdf/122/122-10/tuchida10.pdf

    参考:
    神奈川県平塚市公式ホームページURL:
    http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/index.html

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