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障害年金とは


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公開日:2020/03/16
  最終更新日:2024/05/22

精神障害者保健福祉手帳(障害者手帳)と障害年金の関係

障害者手帳と障害年金の関係

精神障害者保健福祉手帳(障害者手帳)とは?

精神障害者保健福祉手帳
ひとことで障害者手帳と言ったとき、精神障害者保健福祉手帳・身体障害者手帳・療育手帳をまとめて指すことがありますが、このページでは精神障害者保健福祉手帳に絞って解説します。
精神障害者保健福祉手帳には、1級~3級までがあります。障害の程度によって等級が定められ、それによって受けることのできる福祉サービスが異なります。
しかし、どの等級の方でも、社会参加や自立を促していく制度となっています。
例えば、利用できる福祉サービスには、バスや電車の運賃の割引、所得税や住民税の控除、就労時の優遇措置などがあります。(サービスの種類は各自治体によって異なります)
手帳の有効期限は2年で、更新も可能です。

精神障害者保健福祉手帳(障害者手帳)の交付対象となるのは、以下の条件を満たす方となっています。

精神疾患を持っている方であること

精神障害者保健福祉手帳を取得するには、何らかの精神疾患により日常生活や社会生活の制限をやむなくされている方が対象となります。精神疾患の種類は、主に次のようなものがあります。

  • 統合失調症
  • 感情障害(うつ病、双極性障害など)
  • 高次脳機能障害
  • てんかん
  • 発達障害(注意欠陥性多動性障害、学習障害など)
  • 薬物やアルコールなどによる急性中毒や依存症
  • その他のストレス関連による精神疾患

ご自身の疾患が当てはまるかどうか分からない場合は、主治医や専門の社労士に相談することがおすすめです。

初診から6か月以上経っていること

障害者手帳は初診日から6か月の経過が必要精神障害者保健福祉手帳を申請するには、初診から6か月以上の期間が経っていることが必要です。
そして今も、その障害により日常生活や社会生活に対して、支障がある状態であることがポイントとなります。
つまり、6か月以上経っても疾患が完治しておらず、障害として残っているという考え方です。また、初診から6か月までの間に通院している病院を変えたとしても、期間には影響しません。最初の病院から現在までで6か月以上が過ぎていれば、条件に当てはまります。

精神疾患は治療を続けていく過程の中で、初診時と診断名が変化する場合も多くあります。しかし、診断名が変わっても初診時から6か月以上の期間を経ていれば申請は可能です。
ただし、医療機関や担当医師によっては「一定期間以上の診察期間がなければ情報が足りないので診断書の作成はできない」と言われてしまうこともあります。そのような場合には転院後すぐの申請は難しいでしょう。

障害年金の申請について

一方、障害年金とは20歳以上65歳未満で、障害で働くことが難しい方や日常生活に支障がある方に対して、経済的支援を行う制度のことを言います。障害年金にも、1級~3級までがあり、対象者の障害の程度や生活状況などから等級が決まります。
障害者手帳と同様に、障害者の方の社会参加や自立を目指す制度ではありますが、主に年金としての金銭給付が行われ、年金額も等級によって異なります。
また、精神障害により障害年金を受けている場合の多くは、2年~5年ごとに更新日が訪れ、必要に応じて更新の申請が可能です。

障害年金の対象となる精神障害

精神疾患で障害年金を受給するには、以下のような疾患に該当している必要があります。

  • 高次脳機能障害
  • 統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害
  • 気分(感情)障害(うつ病、双極性障害など)
  • てんかん
  • 知的障害
  • 発達障害(自閉症、注意欠陥多動性障害など)
  • 認知症(アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症など)
  • 高次脳機能障害

こちらも、自分の疾患が当てはまるかどうか分からない場合は、主治医や社会保険労務士と相談しながら申請を進めて行くことが効果的です。
また、病名が神経症(適応障害、パニック障害など)やパーソナリティー(人格)障害の場合は、原則として対象には含まれません。

障害年金の対象とならない精神疾患

障害年金の対象となる精神疾患については、障害年金の対象となる精神の障害でも解説していますので、気になる方はご参照ください。
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初診から1年6か月以上が経過していること

障害年金の申請には初診から1年6か月の経過が必要精神疾患で障害年金を受給するには、初診日(メンタルの不調で初めて医師の診察を受けた日)から1年6か月以上が経っている必要があります。
つまり、初診日から数えて、上記の年月が過ぎるまでは申請できないのです。
この考え方は、1年6か月が経過しても病気が回復に至っておらず、日常生活に支障を与える状態であるということを意味します。
また、精神障害者保健福祉手帳と同様に、初診の病院から現在の病院へ途中で受診を変更したとしても、それは1年6か月の期間に当てはまります。

ただ、障害年金の場合は、転院していると受診状況等証明書と呼ばれる、初診日を証明する書類が申請時に必要になります。
そのため、初診時と現在通院している病院が異なる場合は、手続きに労力がかかるケースもあります。

精神障害者保健福祉手帳と障害年金の両方を受けた方が良い?

障害者手帳と障害年金
精神障害者保健福祉手帳と障害年金は、同時に受けることができます。
そのため、両方を持っていると、生活をするうえで役に立つケースが増えるのは事実です。

ただ、申請時期に関しては、受給期間の条件を満たしているかに加え、それぞれの生活状況に合わせて決めることがふさわしいと言えます。
例えば、病気のせいで働くことが難しく、経済的に困っている状況であれば、まずは障害年金の申請をした方が、少しでも悩みが緩和されることでしょう。
また、精神障害の場合は、基本的に障害年金と同じ等級の精神障害者保健福祉手帳を取得できるため、医師に記載してもらう診断書も1枚で済みます。診断書料もその分かかりませんので、本人の経済的負担を軽減することが可能です。

しかし、障害年金は精神障害者保健福祉手帳と比べて、さまざまな要件があり、障害の程度の審査なども厳しいため、申請が降りるまで時間を要します。
また、精神障害者保健福祉手帳の取得はできても、障害年金の受給は認められないこともあり得ます。

企業の障害者枠を利用して就職をしたい、通院時の交通費を節約するために公共交通機関の運賃の割引を受けたいなどの明確な希望がある場合は、精神障害者保健福祉手帳を優先して申請することをおすすめします。
特に急いで利用したい福祉サービスがない場合は、まずは障害年金の申請を先に行っておくと良いかもしれません。

社会保険労務士 小西 一航
小西 一航
さがみ社会保険労務士法人
 代表社員
社会保険労務士・精神保健福祉士

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