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障害年金とは


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公開日:2020/03/17
  最終更新日:2022/12/27

障害年金とは? そのしくみと申請方法について

障害年金とは(どんな年金? 誰が貰える?)

障害年金とはどういうもの?

障害年金とは、20歳以上~65歳未満の障害を持ち、働くことに制限がある方に対して、年金が支給される制度のことを言います。障害年金には1級~3級があり、障害の程度などによって等級が定められます。
私たちは20歳以上になると、公的年金の保険料を納めることとなります。多くの方は「老後の生活のため」と考えると思いますが、その保険料の財源は、65歳以下で障害を持ち、日常生活に支障をきたす方のための所得保障となる障害年金にも当てられてます。

普通、人は歳を取ると、しだいに稼得能力(収入を得る能力)が低下していきます。そのような場合でも、老齢年金が支給されるからこそ、経済的な不安が軽減された生活を維持できるのです。同様に、障害年金は何らかの障害によって老齢期の稼得能力の低下と同じような状態が早く訪れたため、老齢年金を先取りして受給するという考え方に立っています。

障害年金は種類によっても、条件などが異なります。
種類に関しては、下記の記事をご参照ください。

障害年金の種類と受給金額

障害年金の受給要件とは

障害年金を申請するには、障害を持ち就労が難しいというだけでは、その対象に該当しません
障害年金にはいくつかの受給要件があるので、覚えておきましょう。

身体・知的・精神的な疾患を持っていること

障害年金を申請するには、身体・知的、精神的な疾患を持っている方が対象となります。ここでは、対象となる主な精神疾患についてご紹介します。

病名をクリックすると、認定基準のページに移動します。

診断名によっては障害年金の対象外となりますので、障害年金を申請する際には、自分の診断名を事前に確認しておきましょう。
ただ、精神疾患の場合は最初に伝えられている傷病名から、診断名が変わることも多々あります。
ですので、この中にないからといってすぐに諦めずに、まずはご相談いただくことをおすすめします。

障害年金の対象となる精神の障害

障害年金の対象とならない精神疾患

初診日から1年6か月以上が経過していること

障害年金は、一部の傷病を除き、その傷病で初めて病院を受診した日(初診日)から1年6か月が過ぎるまで申請することができません。1年6か月という期間は長いと感じる方もいるかもしれませんが、これには理由があります。
病気は適切な治療をすれば、回復する可能性があります。障害年金における「障害」は治療を続けたけれど回復せず、症状が残ってしまったせいで、日常生活や仕事などに支障をきたすようになった状態を言います。つまり、障害と認定するには一定期間の経過措置を設ける必要があるのです。

精神疾患の場合は医師との相性も大切なため、初診の病院から違う病院へ転院する方も少なくありません。例え病院を変わっても、初診から現在までは1年6か月の期間に含むことができます。
同一医療機関で1年6か月受診を続けなければ、受給できないということではありません。
転院しても初診日は変わらない

20歳以上~65歳未満であること

障害の状態に該当していても、初診日が65歳以後である場合は、基本的には障害年金を受給することはできません。(一部例外があります)
また、初診日から1年6か月を経過した時点で20歳前である場合は、20歳までは障害年金の受給権を得ることができません。
20歳前に1年6か月を迎えた場合

基本的に障害年金は、老齢期の稼得能力の低下と同程度の状態となった現役世代を、対象とするものになっています。

年金保険料の納付要件を満たしていること

障害年金を申請するには、初診日の前日までに国民年金保険料を2/3以上納付しておく必要があります。
この詳細は、保険料納付済み期間と保険料免除期間を合わせたものですので、過去に保険料免除をしていた方も条件を満たしていれば、申請が可能です。
また、この条件に当てはまっていない方でも、初診時に65歳未満であり、初診日前日に、初診日がある月の2か月までの直近1年の間に保険料の未納がなければ、特例措置が適用されますので、不安な方は年金記録を確認してみましょう。

障害年金を受給するための3つの要件

納付に遅延があった場合はねんきん定期便では見られない詳細を確認する必要があるので、一度社労士への問い合わせをおすすめします。

一方、20歳未満の時期に初診日がある場合は、「20歳前傷病」といい、国民年金保険料の納付義務はなく、2/3以上の条件を満たしている必要はありません。

障害年金の20歳前傷病とは? 押さえておきたいポイント

障害の影響で働くのが難しい状況にあること

障害年金は働いていても受給することができますが、精神障害の場合はフルタイムで勤務し一定額以上の収入があると、申請が難しくなるケースがあります。
一般的には障害の影響で、長時間勤務するとひどく疲れたり、症状が重くなってしまう場合があるため、制限なしに問題なく勤務ができることは少ないと考えられるからです。
時間や環境的な制限もなく、多くの収入を得ながら働けているということは、障害の状態にないと判断される可能性もあります。

働いていても障害年金を受給できますか?

障害年金申請に必要な書類

障害年金の申請を考えている方は、まずは主治医に相談することをおすすめします。
主治医に聞きにくい場合などは、他の専門職者や社会保険労務士などに尋ねるのも良いでしょう。
その際には、申請に必要な書類や流れについて本人や家族に教えてくれます。障害年金申請時に揃える書類としては、以下のようなものがあります。
提出先は、厚生年金は年金事務所、国民年金のみならお住まいの市区町村役場またはお近くの年金事務所です。

受診状況等証明書
初診日を医師に記載してもらう大切な書類です。
関連記事:初診日の記録が見つからないときに初診日を証明する方法
障害年金診断書
現在の主治医に、今の障害の状態や病歴などを記載してもらう診断書となります。
年金手帳(年金番号)
年金の納付状態を確認するために必要です。紛失などした場合は、年金事務所で確認できます。
関連記事:年金番号が分からないときどうしたらいいですか?
戸籍謄本や住民票など
本人の身分を証明するために提出します。
マイナンバーでの情報連携により、多くの方の場合不要となりました。
本人名義の通帳など
キャッシュカードや原本のコピーを提出します。年金の申請が降りたときに、年金が振り込まれる口座になります。
関連記事:通帳のコピーはなにに使うのですか?
印鑑
認印で問題ありません。
令和2年12月25日から、基本的には不要となりました。
関連記事:障害年金手続きも押印が不要になりました

上記が基本的な書類ですが、このほかに申請書類、追加提出書類が必要になるなど、手続きが煩雑ですので、難しい場合は専門家に尋ねておくことをおすすめします。

社会保険労務士 小西 一航
小西 一航
さがみ社会保険労務士法人
 代表社員
社会保険労務士・精神保健福祉士

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