ご契約者でない方へのお願い
本記事に関するお問い合わせが多くいただいておりますため、通常業務に支障が出ております。
恐れ入りますが、年金証書についての不明点は年金事務所等にお問い合わせください。
障害年金の支給が決定したら、いつ頃振り込まれるのか?
障害年金は申請後、提出書類などに不備がなければ、多くは約3か月~4か月で受給の決定がなされます。
どちらかといえば障害基礎年金の方が手続きが早く、障害厚生年金の場合は4か月、障害共済年金になると場合によっては1年近くかかるなど、障害年金の種類によっても期間が異なります。
ただ、これはあくまでも平均的な期間なので、審査に時間を要する内容が記載されている場合は、障害基礎年金や障害厚生年金でも決定までに6か月程度かかることもあります。
どちらにしろ、申請してからある程度の時間を経る必要がありますので、事前にこの情報を知っておくと安心できることでしょう。
一方、受給決定後、実際に年金が振り込まれるのは、年金証書(年金決定通知書)が送付されてから50日以内となります。
また、残念ながら、提出した書類に不備などがあった場合は、届け出をした住所に、返戻あるいは不支給通知書や却下決定通知書が送付されることとなります。
年金証書の見方を覚えておこう
障害年金の支給が決定したら、年金証書が届きますが、記載項目の意味になじみがない場合も多々あるかと思います。
年金証書には、自分が受給する年金についての詳細が記載されていますので、その見方を覚えておくとよいでしょう。
この記事では障害年金に絞ってご説明します。
年金証書上部(青い部分)
①年金の種類
ここでいう「年金の種類」は、障害年金のうち障害基礎年金か障害厚生年金かではなく、障害年金・老齢年金・遺族年金の種類になります。
障害年金の場合は「障害」の文字が入っています。
②基礎年金番号
基礎年金番号という部分にご自分の番号が記されています。なにか年金に関する問い合わせをする場合には、この番号が必要になります。
原則的に年金番号はひとつですが、人によっては複数個持っている場合があります。
その理由として考えられることは、ある公的年金に加入する際に基礎年金番号を持っていないと、年金機構に連絡が行っていたケースなどがあります。その際、事前に届けられていた基礎年金番号と自分の情報が完全に一致していなかった時には、新しい基礎年金番号が発行されることになるのです。
基礎年金番号が複数個ある場合は、それぞれの年金記録が統合されていない可能性も否めませんので、一度年金事務所などに相談し、番号を統一するなどの手続きを取ってみることをおすすめします。
当社の障害年金申請代行をご契約中に、年金番号の複数発行が判明した場合は、年金申請のお手続きと併せて、統一の手続きもお任せいただけます。
③年金コード
年金コードは、年金証書の上段に4ケタの数字で記載されています。年金コードは番号によって、受給している年金の種類が分かるようになっているのです。
例えば、1350であれば、障害基礎年金と障害厚生年金となり、5350なら障害基礎年金のみになります。また、6350なら20歳前傷病の障害基礎年金、障害共済年金の場合は1370、ほかにもたくさんの年金コードがあります。
④氏名と生年月日
年金証書を手に取ったら、念のため、ご自分の名前と生年月日が正しく記入されているかも確認してください。
これらは、年金コードの下にあります。
⑤受給権を取得した年月
受給者の生年月日の横には、受給権を取得した年月が記載されています。これは、障害年金を受給する権利が発生した日の属する年月のことです。基本はこの翌月分から年金が支払われます。
受給権を取得した年月は、障害認定日(初診日から1年6か月経過した日)の属する年月になっていることもありますし、障害年金を申請した日(現在)の属する年月になる場合もあります。
時効になっても受給権を取得した年月が記載されます。
厚生年金、国民年金の年金額内訳の下に「『年金時効特例法』に該当する場合を除き、平成◯◯年XX月以前の年金は、時効消滅によりお支払いはありません。」の記述が入ります。
ちなみに年金額の内訳に記載された金額はあくまで支払い開始年月の属する年度の支給額であり、現在の年金額とは異なります。
遡及請求を行った場合、申請月が書かれている場合は、遡及請求が認められず事後重症となったことを示しています。
どちらのケースでも、障害年金を受給する権利があることに変わりはありませんが、のちに、障害の状態が悪化した場合などに、障害等級や金額の改定を申請したい際の申請期間のカウントに関係してくることがあります。そのため、自分の受給権を取得した年月がいつであるのかは、一度確認しておきましょう。
Ⅰ 厚生年金保険 年金決定通知書
障害厚生年金が支給される場合には、ここに根拠となる法令や、支払われる年金の詳細が印字されます。
ここに記されるのは、厚生年金の上乗せ分のみです。
障害基礎年金分については、Ⅱ 国民年金 年金決定通知書 の方に記載されます。
⑥支払い開始年月
障害厚生年金の支払いが開始される年月です。
基本的に国民年金の⑬支払い開始年月と同じ日になります。
⑤受給権を取得した年月の翌月となります。(時効消滅により実際の支払い開始月とは異なる場合があります)
⑦基本となる年金額(円)
標準報酬月額や厚生年金への加入月数を元に算出された、基本的な年金額です。
⑧加給年金額 または 加算額(円)
障害厚生年金2級または1級となった場合、年収850万円未満かつ65歳未満の配偶者がいると、加給年金を受け取ることができます。
対象であれば、ここに加給年金の年額が記載されます。
家計が同一でない場合は対象外です。
⑨支給停止額(円)
年金額の一部または全部が支給停止となっている場合、ここに停止額が記載されます。
停止の理由は⑪支給停止理由の欄にあるコードを参照してください。
⑩年金額(円)
⑦基本となる年金額に、加給や減算などを合わせた、最終的な障害厚生年金の年額です。
(物価スライドにより、多少の差額が発生することがあります)
これと障害基礎年金の年金額と合わせた額が、振り込まれる障害年金の年額となります。
⑪支給停止理由
なんらかの理由で、年金の一部または全部が支給停止となっている場合は、ここに停止事由のコードが記載されます。
コードが何を示すのかは、年金証書の裏面に一覧があります。
停止される額については、⑨支給停止額で確認してください。
⑫厚生年金の加入期間、厚生年金保険加入期間の種類
お手元の書類や、ご自身の記憶と相違ないかご確認ください。
特に、転職した経歴のある方、結婚して名字が変わられた方はご注意ください。
なお、ここに記載されている月数は障害認定日までの加入月数と平均標準報酬額となります。
もし間違いがあると思われた場合は、年金事務所に確認しましょう。
Ⅱ 国民年金 年金決定通知書
障害厚生年金2級以上が支給される場合でも、この欄には基本的に数字が入っています。
最終的な年金額はⅠ厚生年金の⑩年金額、Ⅱ国民年金の⑰年金額の合計額となります。
⑬支払い開始年月
年金の支払いが開始される年月です。障害厚生年金の支給がある場合は、基本的に⑥支払い開始年月と同じになります。
⑤受給権を取得した年月の翌月となります。(時効消滅により実際の支払い開始月とは異なる場合があります)
⑭基本となる年金額
国民年金の基本年金額は固定です。
令和6年度の基本年金額
障害基礎年金1級 1,020,000円
障害基礎年金2級 816,000円
⑮加算額(円)
子の加算がある場合は、ここに記載されます。
⑯支給停止額(円)
⑨支給停止額と同様です。
⑰年金額(円)
⑬基本となる年金額に加算や減算を行ったあとの、最終的な障害基礎年金の年金額です。
この金額が実際にもらえる障害基礎年金(国民年金)の年額となります。
(物価スライドにより、多少の差額が発生することがあります)
厚生障害年金も支給される場合は、⑭年金額と足した額が障害年金の年額となります。
⑱支給停止理由
⑪支給停止理由と同様です。
⑲年金の計算の基礎となった保険料納付済期間等の内訳(障害基礎年金のみ)
この欄は障害厚生年金の年金証書には存在しません。
ここに記載されている月数は現在までではなく、障害認定日までの加入月数です。
お手元の書類や、ご自身の記憶と、加入期間などが違っていないかご確認ください。
特に結婚して、専業主婦(主夫)になるなど、加入している年金が変わったことのある方は、ご注意ください。
相違がある場合は、年金事務所に確認しましょう。
第1号、第2号、第3号については、国民年金には種類がある? 未納の落とし穴でご紹介しています。
Ⅲ 障害基礎・障害厚生年金の障害状況
障害の等級
障害の状態の重さを表す等級で、1級~3級に分けられます。精神障害の方の場合、多くは◯級16号となります。
この「級」について納得がいかないときは、不服申立てをすることになります。
ただ、これらの手順や申請は複雑なものになるので、社会保険労務士などの専門家に力を借りるのがよいでしょう。
当社でも、不服申立て代行プランをご用意しています。
診断書の種類
提出された診断書の種類を表します。
精神障害の場合は、7が診断書コードです。
次回診断書提出年月
障害年金は必ずしも永久認定ではありません。特に精神障害においては、有期認定となることが大半です。
障害年金は、障害の状態であると認められた方が受給できる制度です。しかし、1度申請したからと言って、永久的にその障害が認定しつづけられるわけではありません。たしかに、手や足の欠損や生まれながらの脳の損傷などの場合は、永久認定がなされることも多くあります。しかし、精神疾患で障害年金を受給している場合は、有期認定と言って、期間が定められていることがめずらしくないのです。
精神疾患は、治療を続けることにより回復することも多く、時が経つにつれて症状が緩和していくことも少なくありません。そのため、1年~5年の有期認定のケースが一般的で、期限が来たら、更新をする必要があります。
また、更新時に精神疾患の状態によっては、等級が変化したり、回復が認められた場合は、障害年金の支給が停止になることもあります。
- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
代表社員 - 社会保険労務士・精神保健福祉士