- 初診日に関する第三者からの申立書(第三者証明)のWORD版をダウンロード
もくじ
障害年金申請時には初診日の証明が必要不可欠である
障害年金申請時には、さまざまな書類の提出が求められます。
その中でも重要なのは、病院を受診した最初の日である初診日がいつなのか、あるいはいつ頃なのかが明記されているかどうかです。
認定日や現在の診断書を書く医師・医療機関が初診から変わっていないのであれば、診断書で事足ります。
しかし、診断書を作成する医師・医療機関と初診時の主治医が異なる場合は、受診状況等証明書という書類が必要となります。
受診状況等証明書は、初診日を証明するため、基本的に最初に受診した病院の医師に作成してもらわなければなりません。
精神障害を持つ方の多くは、精神科や心療内科が初診となるでしょうが、中には診療科が違うケースもあります。
初期症状として気分の落ち込みなどの精神症状よりも、頭痛や肩こり、喉が痛い、めまいがするなどの身体的な症状が主に現れることも珍しくないからです。
そのため、傷病に関して初めて受診した病院が内科や耳鼻科であった場合、次に通うようになった精神科や心療内科ではなく、最初に訪れた内科などに受診状況等証明書を書いてもらうこともあります。
初診日を証明できないときはどうすればいい?
初診時の病院に問い合わせるだけで、初診日を明確に証明できることもありますが、初診から時間が経つほどに証明が難しくなることが多いです。
カルテの保存期間として義務付けられた期間は5年です。そのため、初診時の病院に当時のカルテが保管されていないことがあります。
また、問い合わせようとしたところ、すでに閉院していたなどということも少なくありません。
この場合、初診時の病院の医師に初診日を証明してもらうことがほぼ不可能になります。しかし、そのような場合でも、初診日を証明する手段はまだ残されています。
このページでは中でも複雑な、第三者証明についてご紹介します。
その他、書類での証明については、初診日の記録が見つからないときに初診日を証明する方法でご紹介していますので、まずはそちらをご覧ください。
第三者証明を利用する
第三者証明とは、初診日に関する第三者からの申立書のことを言います。
どうしても書類での初診日を証明することができない理由がある場合に、第三者証明を提出することで、それをもって初診日が認められることがあるのです。
第三者証明にはいくつかのポイントもありますので、当社でご用意したワード版「初診日に関する第三者からの申立書(第三者証明)」を見ながら順に解説してきます。
日本年金機構にはPDF版しかないため、当社でWORD版を作成しております。
20歳以降に初診日がある申請者の場合
初診日が20歳以降の方が第三者証明を利用するためには、以下の項目のいずれかに該当した人物の証言が必要です。
申請者の初診時の状態を実際に見ている人
初診時の状態を実際に見ているというのは、確実に病院に行ったことが分かる状態を指します。
当時申請者が病院に通っているところを見た、一緒に病院受診に付き添った、お見舞いに行ったなどのほか、休暇取得のために受け取った診断書を見たなどの間接的なものも含まれます。
その当時具合が悪そうなのを目撃した、というようなケースは「実際に見た」には当てはまりません。
請求者の初診時の状態を間接的に聞き、知っている人
第三者が請求者の初診の病院に通っていることを、直接見ていない場合も多いことでしょう。
しかし、目撃はしていなくても、申請者やその家族などから初診時の頃の状態を聞き、知っている人がいれば、その人に第三者証明を頼むことができます。
例えば、「◯◯という疾患で、△△病院に□年前から通っている」と聞いていたようなケースです。
伝聞の場合、原則として請求からおおむね5年以上前に聞いていたことが必要とされます。
申請者の3親等以内の親族は第三者証明をすることができない
第三者証明を行う場合は、残念ながら申請者の両親や兄弟姉妹、祖父母などの3親等以内の親族は認められません。そのため、親族であれば、大叔父・大伯母、いとこなどであれば可能ということになります。
親族以外に依頼する
親族以外でも、以下のような関係の人に記載してもらうことができないか、心当たりをあたってみましょう。
友人や知人、職場の同僚など
申請者と上記の関係にある人は、日常生活上で密接な関わりがある例も少なくなく、申請者自身やその家族が病気のことを話していたり、時には病院まで付き添ってもらったという場合もあるでしょう。しかし、このような関係のケースは、原則的に2名以上に第三者証明を作成してもらう必要があります。
2名以上というのは原則であり、当社では当時の上司の方の証言の信頼性が高く評価され、1枚だけの提出で、受給に至った事例もあります。
初診日頃に申請者の受診病院で働いていた医師や関わった医療関係者
申請者が初診日頃にかかっていた病院で働いていた医師や医療関係者(看護師や精神保健福祉士、作業療法士など)が見つかった場合は、彼らに第三者証明の記載を依頼することも可能です。
さらに、このような医療従事者が第三者証明を行うときは1名のみの証明で問題ありません。
20歳未満の時に初診日がある申請者の場合
「初診日」が証明できなくても問題ない
20歳前に初診日がある方の場合、少なくとも20歳前にはもうその傷病で診察を受けていたということさえ明らかになれば、初診日が不明であっても受給要件を満たすことができます。
例えば、13歳の頃に発症し、15歳で初診、17歳頃に軽快したため通院をやめ、19歳で再発、受診となった場合、19歳での受診さえ証明できればいいことになります。
それ以外で第三者証明の内容について求められることは20歳以上の申請者と同様です。
また、当時厚生年金に加入していた方の場合は、保険料の納付状況がどうだったのかも確認されます。
できる限り書類での証明を
第三者証明はその信ぴょう性が認められなければ、初診日の証明として成り立ちません。
第三者証明の提出のみで初診日を認められるには、なかなか高いハードルがあります。
ですので、可能な限りご自宅などを探していただき、その他の書類での証明あるいはその他書類と第三者証明を組み合わせて提出することをおすすめします。
初診日の証明として認められることのある書類については、初診日の記録が見つからないときに初診日を証明する方法でご紹介しています。
- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
代表社員 - 社会保険労務士・精神保健福祉士