もくじ
目安となる所要期間
障害年金の審査結果までに要する期間は3か月程度です。社会保険労務士等の代理人が請求を行った場合でも、通知書(決定の場合は年金証書)は請求者本人に送られてきます。
しかし、同じ日に2件の請求手続きを行っても、1件は2か月で届いたのに、もう一方は6か月経っても来ないといったことが起こります。
通知書の到着が極端に遅くなるのはどういった理由なのでしょうか。
時間がかかるケース
年金機構内部の事務手続きによる書類不備等がある
障害年金センターと窓口となって書類を受け付けた年金事務所との間で、記入漏れや書類の添付忘れなどのやり取りが発生することがあります。
新たな書類提出や押印が必要な場合には、年金事務所などから請求者や代理人に対応を求められますが、軽微なものについては請求者等に連絡はせず、年金事務所内で対処することもあります。
このように、書類の不備や審査上の照会があり、差戻し(返戻)となった場合には1~2か月多くかかることがあります。
なお、障害年金の申請代行をご利用されている場合は、基本的に不備の連絡は代理人側に来るようになっています。
ただし、先方の手違いなどで、請求者ご本人に連絡が行くこともありますので、その際は代理人へ連絡しましょう。
当社をご利用いただいている場合、追加のヒアリングや書類の取得をお願いすることはありますが、年金機構とのやりとりは当社で対応します。
初診日に疑義があり、医療機関に問い合わせをしている
年金事務所での相談内容履歴(事跡)と提出した受診状況等証明書、診断書に記載された初診日が異なる場合や、請求傷病と既往症との因果関係による初診日の判断が難しいときは、診療録(カルテ)や前医からの診療情報提供書(紹介状)の提出を求められることがあります。
多くは年金事務所を通して請求者や代理人へ返戻されますが、障害年金センターが直接医療機関へ照会することもあります。
過去に同一傷病による請求歴がある
過去に同一傷病で不支給となり、改めて請求(再請求)を行うケースです。
審査において過去の請求書類を取寄せて、新しい請求の内容との違いについても確認することから、初めての請求よりも審査期間は長めになることが多いです。
複数の障害がある
例えば「精神と肢体」など、複数の障害があり、それぞれ診断書を提出している場合、障害ごとに審査されます。
精神の障害が先に決定した場合、先に精神の年金証書が発行され、肢体の障害が決定した後に、精神と肢体の併合した等級に応じた年金額が計算され新たな年金証書が発行されます。
このように複数の障害による併合を要する審査には、単独障害よりも時間がかかります。
過去に共済組合の加入期間がある
障害厚生年金の平均報酬額の算定期間に共済組合の組合員であった場合、共済組合へ該当期間の報酬額を照会します。
共済組合によっては、照会対応に差があり非常に時間かかることがあります。
不服申し立ての結果を待っている
主位的請求の初診日が却下されたなどで、不服申し立てを行う際、予備的に異なる初診日で再請求を同時進行させることがあります。
このようなケースでは、主位的請求の(再)審査請求を待ってから予備的請求(再請求)の決定を行うことがあります。
まとめ
結果通知がなかなか来ないと不安になると思いますが、遅延するケースは様々です。
審査期間が長いのは、確認事項や待機期間があるためで、支給・不支給の結果に相関関係はありません。
不安になりすぎないよう、気長に待つようにしましょう。
審査状況については、専用ダイヤルで確認することも可能です。
当社では、一定以上の時間がかかっているケースについては、年金機構への確認を行い、ご連絡を差し上げています。
- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
代表社員 - 社会保険労務士・精神保健福祉士