障害年金の受給は特殊なこと?
障害年金の受給を本人や家族がためらう理由として、障害年金が「特殊なこと」だと考えていることがあります。
しかし、ほんとうに障害年金は特殊なことなのでしょうか?
障害年金の受給は40人に1人
平成26年(2009年)に実施された厚生労働省の年金制度基礎調査では、障害年金の受給者の合計が約194万人でした。
同じ年の人口から、障害年金の対象となる20歳~64歳を抽出すると、約7184万人です。
計算すると、約37人に1人が障害年金を受給していることになります。
そう考えてみると、障害年金は身近であるとまでは言えないまでも、「特殊なことではない」と思いませんか?
精神障害での受給はもっとも多い
さらに、障害年金の受給者を傷病別で分けたとき、精神障害はもっとも多く、31%となっています。
そう考えると、精神障害での障害年金受給も珍しいことではないことが分かります。
また受給していない方が多くいる
障害者手帳(身体障害者手帳/精神障害者保健福祉手帳/療育手帳)は、障害年金よりも認知度が高いので、ご存じの方も多いでしょう。
重複もありますが、 平成26年版 障害者白書によると、障害者手帳を持つ人は約510万人です。
障害者として認められている人が約510万人いるのにに対し、障害年金を受給している人は約200万人なわけですから、半数以上の人が障害年金の受給ができていないことになります。
もちろん、年金が未納で受給要件を満たせないとか、障害の程度が基礎障害年金の認定基準に届かないといった場合もあるでしょう。
しかし、当社にご依頼いただいた方の中には、障害状態がずっと重かったけれど障害者手帳も持っていないという方が多くいました。
そのことから考えると、障害年金の対象であるのに受給できていない方は、かなりの数に及ぶのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、障害年金の受給は決しておかしなことではありません。
もしかして自分も該当するのではないか? と思われたら、どうぞ気兼ねなくご相談ください。
- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
代表社員 - 社会保険労務士・精神保健福祉士