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障害年金とは

公開日:2020/03/03
  最終更新日:2024/09/24

障害年金を受給するための3つの要件

障害年金を受給するための3つの要件

精神障害で障害年金を受給するために必要な3つの要件

まず、精神障害で障害年金を受け取るために必要な3つの要件を見ていきましょう。
このうち、1つでも当てはまらないものがあれば、障害年金を受給することはできません。

それぞれの要件についての詳細を、以下にご紹介します。

[1]病気で受診した初診日の特定

障害年金受給の手続きを行うにあたり、最初に必要になるのが、病院を受診した初診日を特定することです。1つの病院にしかかかっていない場合、通院した履歴をさかのぼれば、簡単に初診日を特定できます。
しかし、精神障害の場合はそこがネックとなることも多くあります。

例えば、全身の倦怠感や不眠、頭痛、吐き気、食欲不振、耳鳴りなどの身体症状をはじめに自覚し、精神科や心療内科ではなく、内科や耳鼻科などを受診したため、初診日を証明する受診状況等証明書をどこにも書いてもらえないというケース。
内科にかかったあとで、症状的に精神科や心療内科を受診するよう勧められたとしたら、初診日として扱われるのは内科となる場合があります。

しかし、内科からは「精神科ではないのでうちが初診ではない」と言われ、次にかかった精神科からは「内科が初診であって当院は初診ではない」と言われてしまうのです。
この場合は、内科の医師に初診日についての説明をし、理解を得た上で作成してもらうか、次の精神科に内科受診日の分かる記録が残っていれば、その旨を記載した受診状況等証明書を作成してもらうことで、内科を初診日として証明することができます。

また、最初が別の診断名であっても、最終的に精神障害と認定された場合は、最初にかかった日が初診日になりますので、間違えないようにしましょう。

調べるのが大変な方もいると思いますが、初診日が確定しないと次へ進むことができませんので、きちんと調べて、正しく手続きを行うことが必要です。
ご自身では難しい方は、社会保険労務士への代行の検討をおすすめします。

初診日の下調べは入念に

[2]年金保険料を納付していること

年金保険料とあるように、公的年金制度は保険の一種と言えます。
保険料を払わずに、保険の支払いを求められないのは想像がつくかと思います。
年金も例外を除き、一定期間納付していない場合は、障害年金の受給ができません。

障害年金を申請する場合の納付要件は、以下の2点いずれかに該当するかどうかです。

初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること

【納付要件】全納付期間の2/3

初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

【納付要件】直近1年間未納なし

どちらも満たさない場合は、納付要件を満たさないということになります。
【納付要件】納付要件を満たさない

年金保険料は決められた期間であれば、さかのぼって追納ができますが、障害認定の要件である、初診日以降に追納することはできません。
精神障害の疑いがあり、これから初診を考えているという場合は、年金の納付状況について、先に調べておくと安心です。

また、年金をもれなく納付している場合でも、初診日が65歳を過ぎている場合は、障害年金を受け取れない場合もあります。

障害年金受給に重要な年金の納付要件

さらに、初診日が20歳前である場合は、20歳前傷病といい納付については問われません。
ただし、収入が一定額以上ある場合は、障害年金が1/2、もしくは全額停止になる場合もあります。
所得制限の額は世帯構成によって変わるため、20歳前傷病で収入がある場合は、該当するかどうか確認しておきましょう。

【納付要件】20歳前

障害年金の20歳前傷病とは? 押さえておきたいポイント

[3]本人が障害の状態にあること

障害年金を受給するための要件の3つめは、障害認定日(初診から1年6か月を経過した日)、事後重症請求の場合は請求時点において、障害の程度が障害等級に該当していることです。

精神障害における障害等級と病状の関係は、主に以下の通りです。

1級 日常生活を送ることができず、ほぼ寝たきりの状態で、活動範囲も寝室のみなどに限られる。また、他人の援助を受けなければ、ほとんど自分の身の回りのことができない程度のものである。
2級 労働が難しく、日常生活を送るのにも著しい制限がある。活動の範囲もおおむね家庭内に限られる。必ずしも他人の援助を借りる必要はないが、日常生活は困難な程度のものである。
3級 労働が著しい制限を受ける状態である。日常生活や社会生活にあたっても制限を受けるか、制限を加えることを必要とする程度のものである。

精神障害での障害認定基準のポイント【前編】

精神障害での障害認定基準のポイント【後編】

まとめ

障害年金を受け取るためには、必ず3つの要件を満たす必要があります。いざ申請をしたいという時に焦ることがないよう、自分や家族のケースにあてはめて、ひとつずつ確かめながら、申請作業を進めていきましょう。
身内だけで申請するのが大変な場合は、主治医や医療専門スタッフ、社会保険労務士などに相談したり、協力をあおいだりすることも大切です。

社会保険労務士 小西 一航
小西 一航
さがみ社会保険労務士法人
 代表社員
社会保険労務士・精神保健福祉士

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