省略して障害者手帳、精神障害者手帳と呼ばれることもあります。
特に、精神障害者保健福祉手帳には「障害者手帳」と書いてありますので、障害者手帳と呼んだときに精神障害者保健福祉手帳だけを指すことも多いです。
この手帳を持っていることで、公共料金の割引、税金の控除、手当の支給など様々な福祉サービスを受けることができます。
精神障害者保健福祉手帳は精神疾患があり、ある程度の期間なんらかの障害状態にある場合に、申請を行うことで発行されます。
対象となる精神疾患は、障害年金とほぼ同じですが、障害年金と違い、パニック障害や摂食障害、適応障害、不安障害なども対象になります。
また、両方の要件を満たしていれば、療育手帳と同時に取得することも可能です。
主に対象となる診断名は下記のとおりです。
- 統合失調症
- うつ病、そううつ病などの気分障害
- てんかん
- 薬物やアルコールによる急性中毒又はその依存症
- 高次脳機能障害
- 発達障害(自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害等)
- その他の精神疾患(ストレス関連障害等)
障害等級基準については、以下のようになっており、障害年金とよく似ていますが、同程度の診断書を出しても受給できるあるいは同じ等級になるとは限りませんのでご注意ください。
- 1級
- 精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの(概ね障害年金1級に相当)
- 2級
- 精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの(概ね障害年金2級に相当)
- 3級
- 精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの(概ね障害年金3級に相当)
精神の障害で障害年金を受給中である場合、診断書不要のまま同程度の等級の手帳の発行を受けることができます。
ならば、逆に精神障害者保健福祉手帳を持っていれば、障害年金を受給できると思われることもあるのですが、残念ながら障害年金の方が審査が厳しくなっているため、手帳を持っていても障害年金が受給できないことはよくありますので、申請の際はご注意ください。
手帳申請の際の診断書の内容については、障害年金申請の際の資料となりますので、写しをとっておくことをおすすめします。
- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
代表社員 - 社会保険労務士・精神保健福祉士