1991年(平成3年)4月以前、国民年金に任意加入の制度があった頃、学生だった、海外にいた、専業主婦(主夫)であったなどの理由で任意加入していなかった方、あるいは未納となっていた方のためを救済するしくみです。
主に老齢年金の受給要件である10年を満たさないときに、金額には反映されないものの、条件を満たせば未加入期間・未納期間を受給資格期間とみなすことができ、その特徴からカラ期間とも呼ばれます。
このしくみにより、条件を満たせば老齢年金の受給が可能になります。
ただ、このしくみは老齢年金だけでなく、障害年金にも関わりがあります。
たとえば、2020年8月時点で58歳の女性が、1986年(昭和60年)1月から翌年の1987年3月までの間に、専業主婦であり、15か月の未納期間があったとします。
1987年(昭和61年)4月に専業主婦も強制加入となったは未納の期間もありつつ、国民年金保険料を納入していました。
しかし、障害年金の受給にあたり、納付要件が10か月足りないことが判明します。
そういったとき、さきほどの合算対象期間を含めることができれば、納付要件を満たすことができるのです。
納付要件のひとつとして、20歳から初診日を含む月の前々月(起算日)までの期間のうち、3分の2を納めているかどうかが問われます。
20歳から起算日までの期間が60か月だとすると、その3分の2、つまり40か月は国民年金保険料を納付している必要があります。
しかし、このケースの場合、30か月しか納付がありませんので、10か月分足りず、障害年金の受給ができないとなります。
ここに合算対象期間を含めば、30か月+15か月で45か月となり、3分の2の納付条件を満たすことができるわけです。
その他の合算対象期間となるケースについては、諦める前に確認すべき、合算対象期間で詳しくご紹介しています。
また、老齢年金の場合については、「老齢年金と障害年金の関係について」でも簡単にご説明しています。
- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
代表社員 - 社会保険労務士・精神保健福祉士