障害年金の不支給は、障害年金の請求をしたものの、なんらかの理由により支給が認められないものです。
不支給となった場合は「不支給決定通知書」が届きます。
不支給となる主な理由は以下のとおりです。
- ①納付要件を満たしていない
- 納付要件を満たしていない場合は、却下といって、審査の前に支給の対象外とされます。
却下の場合、狭義では不支給という言葉に含まないこともあります。
障害年金を受給するためには、「初診日のある月の前々月までの被保険者期間の2/3以上が保険料納付済みであること」あるいは「初診日のある月の前々月の直近1年に未納がない」※という納付条件があります。
※直近1年以内の納付要件は、令和8年までの特例です。(期間が更新される可能性はあります)
障害を抱えていると、安定した就労が難しいことも多く、国民年金の保険料の納付ができなかったという方は少なくありません。
しかし、20歳前に初診日がある場合を除き、納付要件を満たしていなければ障害年金を受給することはできません。
社会的治癒の援用が認められた場合や、カラ期間が新たに見つかった場合などを除き、残念ながら覆すことは難しいです。 - 保険料の納付が難しい場合には、一部免除や全額免除、納付猶予などの制度がありますので、検討してみてください。
全額免除の場合、納付要件において納付の扱いになります。 - ②障害状態が軽いと判断された
- 狭い意味での不支給は、こちらの障害等級に該当しないとされたケースを指します。
障害年金の支給を受けるためには、認定日あるいは請求日に一定の障害状態であると認められる必要があります。
障害基礎年金の場合は2級、障害厚生年金の場合は3級よりも障害状態が軽いと判断された場合には、不支給となります。
却下や初診日不明と違い、障害状態を理由に不支給となった場合には、不服申立て(審査請求・再審査請求)で、覆る可能性があります。 - ③初診日が不明である
- 初診日が不明である場合も、審査が行われず、却下となります。
初診日が不明であった場合は、新たに初診日を証明できる書類を提出したり、社会的治癒の援用が認められたりすれば、支給の可能性が出てきます。
納付要件を満たしていない場合に比べれば、不服申立てで覆る可能性は残りますが、かなり難しいものとなります。なくしたと思っていた書類が出てきたといった確実なものを除き、プロに相談することをおすすめします。
- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
代表社員 - 社会保険労務士・精神保健福祉士