「年金裁定請求の遅延に関する申立書」は、認定日から5年を過ぎて、遡及請求を行う際に提出する書類です。
年金を受け取る権利(基本権)は、権利の発生日から5年で時効となります。
障害年金の場合は、認定日が認められる場合は認定日から5年、二十歳前傷病であれば20歳を迎えてから5年ということになります。
特に障害年金はあまり知られておらず、ご自身が受給できることを知らずに5年を過ぎていたという方は、珍しくありません。
このようなやむを得ない事情により、この5年を経過してしまった場合、その理由を申し立てることで、受給権の消滅を免れることができます。
そして、この理由を申し立てるために提出するのが、「年金裁定請求の遅延に関する申立書」です。
日本年金機構ではPDF版しか用意されていないため、パソコンで作成しやすいよう、Word版をご用意しています。様式のダウンロード
こちらをベースに、障害年金を申請する場合についての記入例をご紹介します。
- ①事前に上2つの「年金を請求することができると知らなかった。」「年金制度について、よく理解していなかった。」にチェックが入っています。
どちらにも該当しない場合は、2つのチェックをクリックして外し、3つめにチェックを入れて、理由を記入します。 - ②住所、氏名を記入します。
- ③日付は自動的に作成日のものが入りますので、ご都合に応じて変更してください。
「障害年金の存在を知らなかった」というケースだと、上2つにチェックを入れて構いません。
自由記入となっている欄に記入するケースですと、「医療機関の協力を得られなかった」「体調が悪く手続きが進められなかった」「家族から止められていた」といったものが考えられます。
この書類の提出により、5年以上前の認定日に受給権が発生していたケースでも、時効による受給権が消滅がされなくなります。
ただし、書類内にも書かれているように、5年以上前の年金については、時効により受け取ることはできません。遡及して受け取ることができるのは、最大で5年分です。
詳しくは障害年金は遡及請求で最大5年分を遡って受給できますをご覧ください。
- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
代表社員 - 社会保険労務士・精神保健福祉士