日常生活及び就労に関する状況について(照会)とは
障害年金の新規裁定請求または再認定(更新)の過程で「日常生活及び就労に関する状況について(照会) 」という照会文書の提出を求められることがあります。
照会文書には「提出済の書類(診断書、病歴・就労状況等申立書等)から確認することが困難」「記載内容は審査資料となる」と書かれているので不安になる方もいると思います。
ここでは、日本年金機構が照会文書を求める理由と対処法を解説します。
提出を求められる可能性がある請求の種類
新規裁定請求、再裁定請求、再認定(更新)、額改定請求、支給停止事由消滅届等、障害年金に関するすべての裁定請求が対象です。
提出を求められる割合
公式には発表されていませんが、照会文書を求められる割合はかなり低いはずです。当社が年間で請求代理する約500件のうち照会文書を求められるのは、たった1~2件程度ですので、割合にして1%に満たないと思われます。
照会の理由と対策
就労中の場合
就労状況により、等級(2級、3級、3級非該当)を判定しようとしている可能性があります。特に多いのは、再認定(更新)の時です。前回(新規裁定請求または再認定)は、無職(休職中)だったが、今回の再認定で就労中の場合、診断書が2級相当であっても、就労状況によっては2級から3級へ級下げとなることがあります。このような場合、照会文書をもとに、雇用形態、仕事の内容、給与額、職場での援助の状況などを総合的に勘案して審査します。
とりわけ「仕事場で受けている援助の状況」「就労継続のため、家族や専門職等から受けている外部支援」「勤務状況(勤怠)」は重要になりますので、できるだけ詳しく記載するようにしましょう。支援者の方に意見書を記載してもらうことも効果的です。
一人暮らしの場合
等級判定のボーダーライン上(2級と3級、3級と3級非該当)にある可能性が高いです。その場合、照会文書に記載する内容によって等級が確定します。特に一人暮らしの方は実家や知人・友人等の援助の状況が重要になります。これら周囲の援助の状況と、仮に支援が無いことを想定した場合の困難性をできるだけ詳しく記載するようにしましょう。
就労状況や生活状況によりどこに焦点を当てるべきかケースバイケースなので、照会文書が届いたら、まずは障害年金に強い社労士事務所等に相談することをお勧めします。
- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
代表社員 - 社会保険労務士・精神保健福祉士