ご契約者でない方へのお願い
本記事に関するお問い合わせが多くいただいておりますため、通常業務に支障が出ております。
恐れ入りますが、失業手当についての不明点はハローワーク等にお問い合わせください。
失業手当とは
会社を退職して失業した場合、一定の要件を満たした場合に失業手当(失業保険)を受け取ることができます。
失業手当とは、「雇用保険の基本手当」ことですが、制度の概要は別の記事で解説しておりますので、そちらをご覧ください。
ここでは、失業手当の所定給付日数が優遇(1.6倍~3倍)される就職困難者について解説します。
就職困難者とは
以下のような方が該当します。
- 身体障害者
- 知的障害者
- 精神障害者
- 刑法等の規定により保護観察に付された方
- 社会的事情により就職が著しく阻害されている方
①~③は原則として受給資格決定時に身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を所持している方が対象です。
例外として、統合失調症、そう病、うつ病、躁うつ病(双極性障害)、てんかんは手帳を所持していなくても、医師の意見書(診断書)により認定されることがあります。
就職困難者の3つのメリット
所定給付日数
下図のように一般の離職者(定年退職、期間満了、自己都合で離職した方等)と就職困難者(障害をお持ちの方)では、所定給付日数や被保険者期間に大きな差があります。
求職活動実績
一般の離職者は失業手当を受けるためには、前回の認定日から今回の認定日の前日までに2回以上の仕事探しの実績(求職活動実績)が必要ですが、就職困難者は1回で済みます。
なお、求職活動実績として認められる主なものは次のとおりです。
- 求人への応募
- ハローワーク等(民間事業者、公的機関含む)が行う職業相談、職業紹介、各種講習・セミナーの受講等
- 再就職に資する各種国家試験、検定等の資格試験の受験等
常用就職支度手当
失業手当を受給中に安定した職業(1年以上の雇用)に就いた方に支給される就職促進給付のひとつです。同じ就職促進給付には一般によく知られている再就職手当があります。再就職手当は失業手当の残日数が3分の1以上必要ですが、常用就職支度手当は3分の1未満でも支給の対象となります。
まとめ
精神障害を抱える方が離職した場合、やはり経済的な不安が大きいと思います。体調に合わせ無理のない求職活動の実施のためにも就職困難者の認定はとても大切です。ハローワークで初回申請時(求職の申し込み)には、精神障害者保健福祉手帳を提示するか、ご病気のことをお伝えするようにしましょう。
- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
代表社員 - 社会保険労務士・精神保健福祉士