転院以外の選択肢もある
障害年金用の診断書の作成期間に関して、以下のような相談を頂くことがあります。
「障害年金の診断書を依頼してから半年以上も経過しているが、着手すらしていない状況」
「診察時に『完成時期の目安を教えて欲しい』と聞くと『書きますから』との返事のみで経済的に困窮して困っている」
「転院した方が良いでしょうか」
障害年金の診断書は記載項目が多く、他の診断書に比べて時間がかかります。
そのため、作成にかかる期間は1か月程度、稀に半年以上かかることもあり、当社で対応した最長は1年でした。
転院しても、すぐに診断書は作成されない
障害年金請求に必須の診断書が取得できなければ、病気で働けない方は経済的に困窮してしまい、心労も重なることで病状を悪化させてしまうことがあります。
このような場合、転院も考えられますが、現病歴を把握していない転院先の医師がすぐに診断書を作成してもらえるとは限らず、半年程度の経過観察を要すことが一般的です。
また、転院することは医療機関や医師との関係性を再構築することになりますので、それなりにストレスがかかります。
複数医師がいるのであれば、主治医の変更も候補に
通院している医療機関に複数の医師が在籍している場合は、転院ではなく主治医の変更をアドバイスすることがあります。
主治医変更のメリット
- カルテが引き継がれるので、現病歴等を改めて説明する必要はない
- 診断書作成に要す期間は転院に比べて早い傾向にある
- 通い慣れた場所なので、余計な不安やストレスを抱えない
主治医変更の方法
率直に理由(障害年金の手続きができず、経済的に困っている)を伝えるのがシンプルですが、医師同士の関係性もあるので断られたり、波風が立ってしまう心配があるでしょう。
そのような場合は通院曜日に通院できなくなったことを説明することをお勧めします。
例えば、院長の主治医(A医師)は水曜・日曜(休診日)以外の診察を担当しているとします。
水曜は非常勤のB医師が担当しています。過去に代診してもらったB医師の印象が良く、B医師を主治医に代えてほしい場合は、下記のような理由で水曜しか通院できなくなったことを伝えます。
- 送迎してもらう家族の都合で水曜しか通院できなくなった
- 他にかかっている診療科の関係で水曜が好都合
このような理由であれば、穏便に主治医変更に応じてもらえる可能性があります。
ただし、上記のケース(異常に時間がかかり診断書取得の目途が立たない)を除き、当社では基本的に障害年金のためだけの主治医変更はお勧めしておりません。
例えば「診断書を書いてもらったが想定よりも軽い内容だった」「神経症など対象外の病名だった」等のご相談では、転院や主治医変更をアドバイスすることはありません。
- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
代表社員 - 社会保険労務士・精神保健福祉士