横浜オフィスの黒川です。
平成27年10月1日より、共済年金が厚生年金に一元化され、それまで優遇されていた共済年金も厚生年金の制度と足並みをそろえる形となりました。
また、従来共済でしか受付できなかった老齢年金の届出書も、年金事務所での受付が可能となりました。いわゆるワンストップサービスといわれています。
ただ、障害年金のみ共済が例外となっております。
障害共済年金が障害厚生年金となりましても、初診日に共済に加入していた方の障害年金は年金事務所での窓口では提出できません。
初診日に共済年金に加入されていた方は、裁定の実施機関が共済組合となります。そのため障害年金請求の書類提出先は共済組合となります。
(老齢年金も提出は年金事務所の窓口で行えますが、実施機関は共済組合です)
さらに認定機関が共済年金で一元化されているわけでもなく、ぞれぞれの共済年金で実施されます。
結果、共済によって審査に厳しさに差が生じているのが現状です。
(共済はあくまでも年金機構の審査基準に準ずるというスタンスではありますが)
共済組合はかつて、独自の3階建て「職域加算」が加算されておりました。これは廃止され、「年金払い退職給付」となっております。
障害年金では、一元化後に、この3階建て部分がどうなっているかというと
初診日 | 認定日 | 2階建て部分の名称 (年金証書の記載) |
職域年金部分 | |
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①一元化前 | 一元化前 | 障害共済年金 | 受給権発生 (在職中は停止) |
|
②一元化前 | 一元化後 | 障害厚生年金 | 経過的職域加算として発生 (在職中は停止) |
|
③一元化後 | 一元化後 | 障害厚生年金 | 受給権は発生しない |
共済組合の年金が決定すると、2階建て部分と3階建て部分(職域年金部分)の証書が2枚届きます。
さらに2級以上の方ですと、基礎年金が支給されます。1階建て部分です。
これは、共済組合で年金が決定後に、年金機構に情報が届くためタイムラグが生じます。(共済組合によって、2か月近くかかることもあります)
年金機構で基礎年金が決定し、証書が届きます。実際のお振込みは、共済は共済部分、基礎部分は年金機構からの振込となります。
また基礎年金が発生しておりますので、年金生活者支援給付金のお支払いもございますが、これは共済組合に提出ではなく、年金事務所での提出となります。
共済が2級以上で決定し、年金事務所に年金生活者支援給付金申請書を提出したところ「まだ共済から情報が届いていないので受付できない」とお断りされたこともございました。
一元化されたといっても障害年金に関しましては、名前が厚生年金になっただけという印象ですね。
- 黒川
- さがみ社会保険労務士法人
横浜オフィス マネージャー- 社会保険労務士・社会福祉士・両立支援コーディネーター