今回は、障害者加算(生活保護)と障害厚生年金の関係について書きたいと思います。
一般的な生活保護と障害年金の関係については、生活保護と障害年金の関係をご覧ください。
生活保護を利用している方で1級または2級の障害年金を受給中の方は障害者加算として月額26,810円~15,380円が支給されます。
令和3年度(居住地、障害の程度により加算額は異なります)
その他、多くの市町村では1級または2級の精神障害者保健福祉手帳の所持者であれば、障害年金1級または2級とみなして障害者加算を支給されます。
しかし、1級または2級の精神障害者保健福祉手帳の所持により障害者加算を支給されている方が、障害厚生年金の請求をする場合、障害者加算が外れる可能性があるので注意が必要です。
障害厚生年金は1~3級(障害基礎年金は1~2級のみ)があり、精神障害者保健福祉手帳は2級であっても、障害厚生年金は3級になることがあります。その場合は、障害年金の等級が優先され、障害者加算が外れることになります。
精神障害者保健福祉手帳と障害厚生年金の審査の特徴は以下のとおりです。
- ~精神障害者保健福祉手帳~
- ・原則として、すべての病名が対象となる。
- ・障害厚生年金よりも2級の範囲が広い。
- ・都道府県での審査となり、地域によっては緩やかな審査となる。
- ~障害厚生年金~
- ・原則として対象外の病名(神経症・人格障害)がある。
- ・就労状況、処方薬等も考慮され、精神障害者保健福祉手帳よりも2級の範囲は狭い。
- ・東京での一元審査となり地域差はない。
つまり、同じ2級でも障害厚生年金の方はハードルがより高いということが言えます。このことを理解した上で、手続きを行わないと思わぬ形で収入が減ってしまうので気を付けましょう。
なお、上記は障害厚生年金に関することです。障害基礎年金には3級はありませんので、障害年金請求の結果、不支給になることはありますが、それを理由に障害者加算が外れることはありません。
当社では、一定の要件がありますが、生活保護利用者の方の障害年金申請代行を受任しております。詳しくは生活保護利用者の障害年金サポートについてをご覧ください。
- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
代表社員 - 社会保険労務士・精神保健福祉士