社会保険労務士・精神保健福祉士の小西です。
今回は、私のプロボノである「親なきあと」の取り組みについてご紹介します。
プロボノとは
プロボノとは、「公共善のために」を意味するラテン語「Pro Bono Publico」を語源とする言葉です。
各分野の専門家が、職業上もっている知識・スキルや経験を活かして社会貢献するボランティア活動を指します。
数年前、社労士仲間から誘われたことがきっかけで、「親なきあと」の活動に参加させて頂いております。
障害(主に知的障害)のある子を持つ親の悩みは、「自分たちがいなくなったあと、誰に、何を、どこまで頼めばいいのかわからない」、「自分が元気なうちに、どこまで手配するべきなのか」といったものです。
「親なきあと相談室」の提唱者であり、障害者のお子さんを持つ渡部伸氏(行政書士・社会保険労務士)によれば、それらの悩みや不安は3つの課題に集約できるといいます。
- ①お金で困らないための準備をどうするか
- ②生活の場はどのように確保するか
- ③日常生活で困ったときのフォローをどうするか
親なきあと相談室
それぞれの課題について利用できる行政や民間の福祉サービスが提供されているものの、制度が複雑に組み合わさっており要件もさまざまです。
「親なきあと相談室」の役割は、相談者の抱える課題を整理し、対処する方法や制度・サービスを案内します。また、必要に応じて専門職に繋ぐなどワンストップ窓口の機能を有しています。
障害のある子の「親なきあと相談室」小田原
代表の松浦克氏が「親なきあと相談室」を主宰する渡部伸氏に賛同して平成31年に開設されました。
相談室では、代表である松浦氏が相談者の悩みや困りごとを把握し、適切なサポーター(社会福祉士、精神保健福祉士、司法書士、税理士、行政書士、ファイナンシャルプランナーなどの専門職)に繋ぐことで解決や不安の解消を目指します。
また、定期的に成年後見、家族信託、相続遺言、障害年金などテーマ別に講演会を企画しています。
松浦氏は、養護学校教諭を定年退職した後、障害年金と障害者雇用促進に特化した社労士事務所を開業されています。本業の傍ら、手弁当で活動されており、同業の私も微力ながらお手伝いさせて頂いております。
お問合せ先:「親なきあと」相談室小田原
綾瀬市 親なきあと個別相談会
こちらは行政(障がい福祉課)が主体となり、定期的に個別相談会を行っています。障がい児者相談支援センターにて相談内容を確認し、当日は相談内容に応じた専門職(社会福祉士、精神保健福祉士、司法書士、社労士、弁護士、保健師など)が2人1組のペアで相談にあたります。
異なる分野で活動している方とペアを組むので、その方の専門領域や面接技法など、新たな知見を得る貴重な機会となっています。
お問合せ先:綾瀬市障がい児者相談支援センター
当社では、プロボノを奨励しており、横浜オフィスの黒川は両立支援研究会に所属し、別のスタッフは成年後見人としても活動しております。
それぞれの社会課題解決に取り組んだ経験や人との繋がりは、かけがえのない財産となり本業にも生かされています。
- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
代表社員 - 社会保険労務士・精神保健福祉士