代表社員の小西です。
先日、立派なファイルに綴じられた精神保健福祉士登録証が届きました。
強い気持ちと、周囲の支えで取得した資格です。自己満足で終わらせることのないよう、次は実践に取り組んで参ります。
ちなみに社会保険労務士の登録証は、注文して購入しなければならないようです。
さて、今回は精神科クリニック選びについて書きたいと思います。
当社では、知的障害(精神遅滞)を除き、基本的に障害年金の受給を目的とした医療機関の紹介は行っておりません。
しかし、そのニーズは高く、毎週のようにご相談を頂いております。その多くは、受給要件は満たしているものの診断書作成依頼に医師が応じてくれないといったものです。
まずは、どういった理由で応じてもらえないのか医師に直接確認することをお勧めしています。
一方だけの誤解やちょっとした行き違いによるケースでは、コミュニケーションを深めることで解決することもあります。それでも応じてもらえず、やむを得ず転院先をお探しの方へは、「ソーシャルワーカーが在籍しているクリニックを検討してみてください。」とお伝えしています。
ソーシャルワーカー(ケースワーカーや相談員と呼ぶ医療機関もあります)は、患者や家族から相談を受け、様々な課題の取り組みに援助する専門職です。ソーシャルワーカーが在籍しているクリニックをお勧めする理由は2つあります。
ひとつめは、社会資源の活用に理解のあるクリニックである可能性が高いことです。
こころの病気は、薬物療法で一時的に症状が改善したとしても、生活基盤が脆弱であったり、社会的に孤立したままでは、症状が再燃してしまうことがあります。
入院施設のある精神科病院では、このような状況で入退院を繰り返す、いわゆる回転ドア現象を防ぐため、ソーシャルワーカーが退院後の生活を見据えて地域の支援者と連携したり、障害年金や生活保護の利用案内などを行っています。つまり、円滑な地域移行と病状の安定は相関関係にあると捉えています。
このような取り組みは、外来治療の精神科クリニックでも広がりつつあります。個人的な印象ですが、ソーシャルワーカーが在籍しているクリニックは、その専門性を認識し、障害年金を含めた社会資源の活用に肯定的なところが多いと感じています。
もうひとつは、医師とのコミュニケーションに課題がある際、間に入ってもらえることです。
多くの患者さんを診なければならない医師は、診察では治療経過の確認が優先されるので、それ以外の会話に十分な時間を割けないことがあります。
精神障害における障害年金審査で最も重要なのは、「病気の影響により日常生活能力がどの程度低下しているか」です。
日常生活状況(家事や身の回りのことなど)が正しく医師に伝わらなければ、障害年金の受給は難しくなります。
そのようなとき、社会保障制度の知識を持っているソーシャルワーカーを介することで意思疎通が円滑になることがあります。
いかがでしたでしょうか。
これから精神科クリニックを探そうと考えている方は、「通いやすい」、「評判が良い」などに加えて、「ソーシャルワーカー在籍の有無」を考慮して選ぶことをお勧めします。
- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
代表社員 - 社会保険労務士・精神保健福祉士