横浜オフィスの黒川です。
先日、神奈川大学法学研究科大学院と社労士のコラボ企画として、障害年金法研究会が、2025年年金制度改革に向けて国への提言した内容について、報告を聞いてまいりました。
『障害年金相談ハンドブック』や『審査請求・再審査請求』を編集されておられる阿部敬太先生のお話しをお伺いできる機会ですので、是非にとも出席させていただきました。
障害年金法改善をめざす弁護士、社会保険労務士、研究者、社会福祉士、精神保健福祉士により構成された専門職による研究団体https://www.nenkin-law.com/
提言内容の詳細は、上記HPより確認できます。
主な、内容は以下の通りです。(一部抜粋)
- 障害の医学モデルから社会モデルへの変革へ
- 障害認定の見直し(検査数値などわかりやすい機能障害重視から日常生活や社会生活への困難さの重視)
- 医師だけの認定にならないように、当事者・支援者、SWも認定に参画
- 初診日という独自の概念でなく、「初診期間」という幅を持たせる柔軟な対応
- 「社会的治癒」の明確化
- 手続的権利の保障の徹底
- 障害基礎年金3級の創設(無年金者を減らすために)
- 納付要件における「直近1年要件」の恒久化
- 「神経症と人格障害は障害年金対象外」という認定基準による理不尽な差別廃止
- 書式の改善
弁護士の藤岡先生の全体的なご説明と、阿部先生の実例2件から障害認定の在り方(改善を求める妥当性)の内容は、十分に理解できるものでした。阿部先生のお話は、かなり身近に感じることができました。
がんや難病など機能障害での判定が難しい傷病に対して不利にならないようにすることや、障害種別に関する等級判定に共通する物差しがないことなどです。
また、不条理だなと思っていても年金法に則り「しかたない」と思っていたことが、お話をお聞きして目から鱗がおちた気分でした。
限られた時間ではございましたが、研究会の主旨、活動、内容を十分に理解することができました。
日々業務にあたり、傷病のため「日常生活は家族のサポートが必須、働けない、就労できても少ない賃金での生活」の方が大勢いらっしゃること実感しております。研究会の方々は、条件を満たせず受給できない方を救済できる方法として改革を進めておられます。
すぐの改革は難しいかと思いますが、こうした活動により不条理に感じていたこと、(傷病のため経済的に困窮した方が申請できない)が少しずつでも改善され、無年金者を減らすことができるようにと願うばかりです。
一部、厚生年金喪失から5年以内にあれば障害厚生年金の加入要件を満たす(こちらの措置は進んでいるようです)
- 黒川
- さがみ社会保険労務士法人
横浜オフィス マネージャー- 社会保険労務士・社会福祉士・両立支援コーディネーター