横浜事務所の黒川です。
最近決定した珍しい障害年金受給事例3件について、とても簡単ではありますが、概要をご紹介します。
珍しい受給事例3件
① 精神障害での1級となったケース
認定日時点では、アルバイトをしていましたが、最近はアルバイトもできないほど体調を崩された方です。通院歴は長い方でした。
精神障害では、自室で寝たきりでトイレにも行けないような状態であっても、多くは2級の認定となってしまいます。
1級の認定をされること自体がかなり珍しいのですが、この方の場合は、在宅で訪問介護もない状態での1級の認定と、かなり珍しい事例となりました。
② 認定日から5か月めの診断書での受給したケース
この方も通院歴が長く、認定日以降3か月以内に通院されていた病院でのカルテが破棄されていて、診断書の作成をお願いできませんでした。
ただ、障害認定日の20歳から、転院歴はあるものの通院は間が空いた期間はなく、お母様が通院歴や状態を細かくメモされていました。
そこで、次の通院先である認定日から5か月目が初診の病院に診断書作成を依頼しました。
その際に主治医にお母様のメモを添付したところ、「当院、初診日おいて認定日時点と同等とみなす」の文言を入れていただけ、認定日から3か月以内ではない診断書も認定日と同等とみなされ、受給できることとなりました。
「認定日の診断書は認定日から3か月以内」というのは絶対ではありません。
客観的な情報がしっかりとあれば、その期間を外れても認められる可能性があります。
③ 追加資料の提出で、却下取り消しとなったケース
初診日が却下(不支給)とされたお客様で、不服申し立ての代行を受任しました。
20歳前傷病であれば、20歳前のメンタルクリニック受診歴のみでほぼ初診日が認められますが、今回は認められていませんでした。
認定調書を取り寄せたところ、提出した受診状況等証明書の内容が乏しく、「因果関係」が証明できないというものでした。
支給/不支給の理由が書かれた書類で、取り寄せには約1か月ほどかかります。
そこで、カルテ開示や、転院先の病院の意見など多くの資料と提出しました。
通常はかなり時間がかかる審査請求の審査ですが、5か月後に審査員より電話が入りました。
「却下を取り消し、2級決定となりましたので、不服申し立ての取り下げ書をお願いします」とのことでした。
半年以上かかる覚悟をしていましたが、追加資料提出のみで処分変更となり、ご依頼者に予想より早く朗報をお届けすることができました。
不支給や却下であった場合、時間はかかりますが「認定調書」を取りせてみるのもいいかもしれません。
個人情報開示請求で費用は300円のみです。
- 黒川
- さがみ社会保険労務士法人
横浜オフィス マネージャー- 社会保険労務士・社会福祉士・両立支援コーディネーター