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公開日:2020/04/03
  最終更新日:2022/05/11

不服申し立てで請求側の主張が認められました。(1)

(前略)に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するものに該当していると認めるのが相当である。(4)以上によれば、本件障害の状態は、厚年令別表第1に定める程度に該当すると認められるから、請求人には障害認定日である平成xx年xx月xx日をその受給権発生日とする障害等級3級の障害厚生年金が支給されるべきであり、これと趣旨を異にする原処分は妥当でなく、取り消されなければならない。以上の理由によって、主文の通り採決する。令和2年3月31日 社会保険審査会

代表社員の小西です。

昨日、不服申し立ての第2審である社会保険審査会から裁決書が届き、そこには今年1月23日に行われた公開審理の結果、請求側の主張を認め、保険者(厚生労働大臣)の不支給決定を取り消し、障害厚生年金3級を支給する旨が記載されていました。
申し立て者の特定を避けるため、写真の日付を一部伏せています。

不服申し立ての仕組みについては障害年金不支給の場合でもチャンスは残されているで詳しく解説しています。

障害年金不支給の場合でもチャンスは残されている

心の中ではガッツポーズを通り越してシャンパンファイトする瞬間です。
現在受給している2級の年金額(月あたり約11万円)に加えて過去5年分の年金一時金約300万円が新たに支給されることになりました。十分ではありませんが、ひとまず安心して治療に専念できる金額ではないでしょうか。

本件は、平成30年10月にうつ病で障害認定日(遡及)請求を行ない、障害認定日(初診1年6か月)は不支給、請求月(現在)は2級という事後重症認定がされていました。
精神障害での厚生年金請求では、たとえ障害認定日の診断書が3級相当かつ休職など障害認定日に就労してなくても、その後に復職していると、「障害認定日時点の障害状態は一過性のもの」と判断され不支給となる可能性が高いのが現実です。残念ながら、「復職しなければ退職させられてしまう」とか「医師に止められたが、経済的に行き詰まり社会復帰した」などの個別事情を考慮されることはほとんどありません。

この不支給決定を不服として、まずは社会保険審査官による審査請求を行なうのですが、この時点では棄却されることを想定し、第2審である社会保険審査会の再審査請求(公開審理)を見据えて準備をしました。
というのも、過去に本件と類似の案件でも社会保険審査会で不支給決定を取り消されており、社会保険審査官は同様の案件を容認しないことが分かっていました。

社会保険審査会の再審査請求で請求側の主張が認められる確率ですが、厚生労働省のデータを見ると、以下のようになっています。

  1. 平成28年度 14.9%(322/2,161件)
  2. 平成29年度 12.3%(229/1,848件)
  3. 平成30年度 13.7%(204/1,480件)

かなり厳しい認定率ですよね。
「年金請求は一発勝負」などと云われるゆえんは、最初の請求手続きで認定されないと、不服申し立てで決定を覆すのは困難であることを示す根拠です。

障害年金の初回請求の重要性を理解しよう

しかし、社労士が代理している案件では、認定率はもっと高いと思います。
当社では、自社で対応した過去の案件や公開されている裁決例から社会保険審査会の認定傾向を把握できていますので、本件のような事例においては、収集した資料などから「高い確率で不支給決定を覆せる」と判断することができます。

不支給の結果となっても諦めずに、まずは障害年金専門の社会保険労務士にご相談されることをお勧めします。

代表 社会保険労務士 小西
小西 一航
さがみ社会保険労務士法人
 代表社員
社会保険労務士・精神保健福祉士

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