代表社員の小西です。
先週、厚生労働省年金局の担当官より、「障害厚生年金の障害認定日を不支給とした決定を変更し、請求日と同じ3級とする」旨の(保険者による処分変更)連絡がありました。
本件は、うつ病の障害認定日における障害状態が3級に該当するか否かを争いました。
11月19日の公開審理でしたが、保険者(厚生労働大臣)が直前に誤りを認めました。
審理資料の保険者意見書では、「認定日時点を含め、休職している時期はあったものの、一時契約社員への変更を提案されるほど継続して通常勤務できていた期間もあり、このようなことからは、障害認定日時点においても、労働に制限を受ける状態にまで悪化していたと認めることは困難である。」と記載されていました。
請求者は正社員であり、契約社員(短時間勤務)への雇用形態変更は実質的「降格」であるにも関わらず、あたかも「契約社員」=「昇格」かの如く表現してきました。
保険者の姿勢は「結論ありき」のため、しばしば誤解に基づいた論理を堂々と主張してきます。そのままにしておくと誤解のまま審理が進む危険性もあり、請求者側は保険者の主張一つひとつに対し書面(追加理由書)で反論していくことになります。
この決着により、請求者は約300万円の年金一時金を受け取れることになります。時間はかかりましたが、依頼者に朗報をお届けすることができて安堵しました。
- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
代表社員 - 社会保険労務士・精神保健福祉士