ご契約者でない方へのお願い
本記事に関するお問い合わせが多くいただいておりますため、通常業務に支障が出ております。
恐れ入りますが、「お住まいの市区町村がどのような対応をしているか」は、市区町村役場や担当ケースワーカーにご確認ください。
代表社員の小西です。
当社では、毎月のように生活保護利用者(以下、利用者)の方からもご依頼を頂いております。
利用者の方が障害年金を受給するメリットや留意点は、生活保護と障害年金の関係をご覧ください。
受任の際、私たちが最初に確認するのは援護の実施者(生活保護の支払元)である市町村はどこか、ということです。
保護費は前払い、障害年金は後払いなので、通常は利用者の障害年金が決定すると、支給された障害年金は市町村に返還することになりますが、一部の市町村では、利用者が社労士(法人)に支払う報酬を障害年金請求の必要経費とみなし、利用者から市町村への返還金から控除することを認めています。
根拠となる法令は下記の通達となります。
第8 - 3 -(2)就労に伴う収入以外の収入
ア恩給、年金等の収入
(ア)恩給、年金、失業保険金その他の公の給付については、その実際の受給額を認定すること。
(イ)(ア)の収入を得るために必要な経費として、交通費、所得税、郵便料等を要する場合又は受給資格の証明のために必要とした費用がある場合は、その実際必要額を認定すること。厚生労働事務次官通達
必要経費と認めてくれる市町村で障害年金請求を検討している利用者の方は、社労士(法人)へ代行手続きを依頼しても実質的な自己負担がないので活用されることをお勧めします。一方、認めてくれない市町村の利用者の方は、残念ながら当社では受任することができません。
各市町村の対応は様々ですが、当社で受任した統計によるおおよその割合は以下のとおりです。
- ①すべての利用者に認める・・・10%
- ②利用者のおかれている状況により認める・・・40%
- ③一切認めない・・・50%
②は、手続きの援助をしてくれる家族がいない、自分で手続きを行ったが不支給になった、などの事情を考慮して個別に判断しているようです。
最初は③の対応でも、折衝(根拠となる通達を示し、運用している他市町村の事例紹介など)を経て認めることもあります。
先週、支援者のサポートにより障害基礎年金を請求したものの、不支給と裁定された軽度精神遅滞の利用者の方から再請求のご相談を頂いた際、援護の実施者であるY市と折衝しました。Y市の対応は③で、理由は「本人がやっても社労士が代行しても結果は同じであり、もし異なるようなら制度としておかしい」とのことでした。
理想像としては私も大いに同意しますが、審査機関から求められる添付書類だけでは不十分なケースも多く、特に軽度精神遅滞(知的障害)や発達障害で就労している場合には、就労先の意見書など、どのような任意提出書類を揃えるかで結果が異なるのが現実です。
少ないですが、①の中には経済的合理性の観点から積極的に社労士(法人)の活用を推奨している市町村もあります。
利用者の方で障害年金受給をご検討の方は担当ケースワーカーさんに相談してみることをお勧めします。
- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
代表社員 - 社会保険労務士・精神保健福祉士