社会保険労務士・精神保健福祉士の小西です。
昨日、共同通信社が「23年と24年で計2千件超の申請を集計した結果、精神・発達障害では24年の不支給割合が23年比で2倍に増えていた。」と記事にしました。
【独自】障害年金、不支給が増加か 24年、精神・発達は2倍(共同通信) – Yahoo!ニュース
当社でも24年6月の記事にて障害年金審査が難化傾向にあることを取り上げました。
共同通信の記事では、精神障害・発達障害は2倍、全障害で1.6倍となっているので、「精神障害以外の(内部・外部)障害も不支給割合が増えている」と誤解する方もいるでしょう。新規裁定請求者の約7割が精神障害・知的障害ということを踏まえると、全障害が1.6倍ということは、精神障害以外の(内部・外部)障害の不支給割合はほとんど増えていません。「精神障害・発達障害のみ不支給割合が増えている」という理解が正しいかと思います。
しかし、実態はより深刻です。
「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」に照らして等級を決定しますが、障害厚生年金2級相当にもかかわらず3級に決定するケースかなり増えている印象があります。
特に「独居かつ福祉サービス利用なし」や「休職中」は診断書が2級相当であっても3級に決定することが多くなりました。このことは記事には触れられていません。
令和6年度の障害年金業務統計は今年9月に公表予定です。詳細がわかりましたら続報をお伝えします。

- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
代表社員 - 社会保険労務士・精神保健福祉士