横浜オフィスの黒川です。
無料相談の際、「自分で申請して不支給・却下となりました」とのご相談を受けることがございます。
こういったときは、まず申請した書類一式(診断書と申立書)と理由が記載されている不支給決定通知書を併せて拝見させていただくことで、対策を検討することができます。
- 却下の対策
- 却下は審査する以前に、初診日が認められないという内容がほとんどです。
そのため、却下の場合は初診日の証明ができれば、受給できる可能性がございます。 - 不支給の対策
- 不支給についてですが、明らかに認定基準を満たしていない場合を除き、認定調書を取り寄せます。
認定調書には、具体的なポイントが記載されているためです。
なお、不支給の通知で、定型的な文書になっている箇所が少ない場合、つまり通知の方にしっかりと具体的なポイントが書かれているときは、認定調書を取り寄せないこともあります。 - 最近の傾向
- 最近の傾向として、2級相当の状態、診断書、申立書でも3級に認定されることが多くなっております。
そのため、不服申し立てするしないに関わらず、約1か月ほど期間はかかりますが、認定調書を取り寄せております。
審査員が何を目安に、3級(2級相当)や不支給にされているのか確認できるためです。 - 通知類を確認すると、今年に入っての審査の傾向が、あまりにも減点法になっているような気がしております。
「1人暮らし」「休職中」などの他にも、「日常生活はある程度できている」「就労移行支援事業者に通所できている」「通院できている」「家族とは意思疎通が取れている」などです。
これは以前のブログでご案内しておりましたが、ますます、傾向が強まっております。その結果、診断書の文書に書かれている内容のほんの些細な文言で、等級が変わることになってしまいます。
医師が傷病の状態や日常生活を、どのような表現で診断書に記載するかによってきてしまいます。 - 身体障害の審査との差
- 身体(目や耳、その他の機能障害)の場合、数値で表現できるため、診断書の内容によってそれほどの差が感じません。
精神の場合、認定基準の具体的な数値化が難しいことから、診断書の文によって(書類のみ)決まってしまいます。
障害年金法研究会の提言内容にもございましたが、審査は年金機構の認定のみならず、審査方法の改善が望ましいと感じるばかりです。
1度不支給になって、ご自身で再度の請求を行い、2回不支給となられた方のご相談が続きました。
1度の不支給であやふやな情報により再申請され、2回とも不支給になられた方です。
1回目の不支給で、理由を明確にしてから申請のタイミングも含め検討すれば受給につながった可能性があることから、大変残念に思いました。
再申請にあたっては、専門の社労士の相談の上、不支給の理由を確認して内容によっては、申請の時期もご検討されることをお勧めいたします。
- 黒川
- さがみ社会保険労務士法人
横浜オフィス マネージャー- 社会保険労務士・社会福祉士・両立支援コーディネーター