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公開日:2023/06/05
  最終更新日:2023/06/19

発達障害なら就労中でも障害厚生年金2級の可能性があります。【前編】

発達障害なら就労中でも障害厚生年金2級の可能性があります。【前編】

社会保険労務士精神保健福祉士の小西です。

統合失調症やうつ病などの気分障害で障害厚生年金請求する際、診断書内容が2級相当でも、パート・フルタイムを問わず就労状況を差し引かれて3級になってしまうのはよくある事です。
他方、発達障害は特殊で、フルタイム(障害者就労)でも差し引かれずに、そのまま障害厚生年金2級に決定することは珍しくありません。

次の表は当社で申請代行して障害厚生年金2級に決定した方の就労状況です。

Aさん Bさん Cさん
障害名 発達障害・気分障害 広汎性発達障害・ADHD 広汎性発達障害・ADHD
勤務先 派遣会社 一般企業 病院
雇用体系 障害者雇用 障害者雇用 障害者雇用
勤続年数 1年9ヵ月 1年8ヵ月 3ヵ月
勤務日数 週5日 週5日 週5日
手取り月給 約20万円 約18万円 約14万円
仕事の内容 事務職 事務補助 清掃等
合理配慮及び意思疎通の状況 ➀業務量の調整

②適時の面談

➀マルチタスクが苦手な為、業務量の調整

②支援者との定期面談

➀自分のペースで作業が可能。休憩も取りやすい

②困った時はすぐに上司が対処してくれる

③同僚とコミュニケーションが困難で、ストレスになることが多い

なぜ、発達障害は就労状況が差し引かれ難いのか、そのヒントは発達障害の認定要領にあります。

障害名 障害の程度(2級)
統合失調症、気分障害(うつ病など) (前略)日常生活が著しい制限を受けるもの
発達障害 (前略)日常生活の適応にあたって援助が必要なもの

統合失調症や気分障害の認定要領には、「日常生活が著しい制限を受けるもの」とあります。就労は「身支度をして職場へ行き、決まった時間内に職務を遂行する」ことをイメージします。これができるのであれば、たとえ診断書が2級相当であっても「日常生活が著しい制限を受けるもの」と矛盾してしまい、差引かれる傾向にあります。

一方で発達障害の認定要領には、「日常生活の適応にあたって援助が必要なもの」とあります。合理的配慮の提供義務のある障害者就労であれば、認定要領「適応にあたって援助が必要なもの」と矛盾しません。

代表 社会保険労務士 小西
小西 一航
さがみ社会保険労務士法人
 代表社員
社会保険労務士・精神保健福祉士

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