もくじ
精神障害と身体障害など、別の区分の障害の場合
精神障害と身体障害がある場合はそれぞれの診断書による障害状態の診査を経て別々に等級が決定します。精神障害が2級、身体障害2級となった場合は併合して上位等級(1級)になります。
精神障害と精神障害の場合
では、精神疾患の病名が複数ある場合はどうなるのでしょうか。
ここでは、どちらも障害年金の対象病名である「うつ病と発達障害」と「うつ病とパニック障害」など対象病名と(原則)対象外病名が併記されている場合の考え方について解説します。
1「うつ病と発達障害」など、どちらも障害年金の対象病名
「うつ病」と「発達障害」など、どちらも障害年金の対象病名の場合はひとつの障害とみなして障害状態を診査(総合認定)します。
なお、診断書1枚に両方の病名が記載された場合も、「うつ病」はA病院、「発達障害」はB病院というように2箇所の医療機関からそれぞれの診断書を取得した場合も同じです。
総合認定は日常生活への支障を及ぼしている度合いがより強い病名をメインに、その他の病名は参考程度に障害状態を判定する傾向にあるため、複数の病名があることで上位等級になることは基本的にありません。
2「うつ病とパニック障害」など、対象病名と(原則)対象外病名が併記されている場合
対象病名の「うつ病」と(原則)対象外「パニック障害」「不安障害」「強迫性障害」の病名が併記された診断書は注意が必要です。診断書の記載内容が(原則)対象外病名の症状(パニック発作、不安感、強迫行為など)に関する記述ばかりだと「うつ病単体では日常生活への支障は少ないのでは」と不利(差引認定)になる可能性があります。また、「本当の病名はパニック障害だが、障害年金の対象にするため作為的にうつ病を併記しただけなのでは?」と誤解されることも考えられます。
このようなことにならないよう、対象病名である「うつ病」の精神症状(憂うつ気分、意欲低下など)を中心に診断書を記載してもらいましょう。このとき病歴就労状況等申立書は診断書と矛盾のないように作成することもポイントです。
- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
代表社員 - 社会保険労務士・精神保健福祉士