遡及請求では2枚(障害認定日と現在)の診断書を提出します。
当社では、下記のケースに該当する場合、額改定請求書を添付しています。
- ①障害認定日の診断書:3級相当
- ②現在の診断書:2級相当
保険者(国)は障害状態について➀②を別々に診査しますが、障害年金請求に係る保険者の処分は➀のみとなります。②は保険者の職権で2級に改定するので、請求に係る処分はありません。
不服申立て手続きは保険者の処分に対して行うものです。②が2級に改定されず、それに対して不満があったとしても不服申立て手続きはできません。
詳しくは「額改定について(後編)」をご覧ください。
額改定請求書を添付していれば、保険者は額改定請求に係る処分を行います。そうすると、②の等級に不満がある場合は額改定請求の処分に対して不服申立てが可能になります。
額改定請求書を提出したものの、保険者の職権で②が2級に改定された場合は、以下のような「国民年金・厚生年金保険の年金額を変更しない理由お知らせ(年金額変更却下通知書)」が送られてきます。
「却下」と記載されているので、「障害年金そのものが却下されたのでは?」と驚かれてしまうかもしれませんがご安心ください。
平たく言うと「保険者の職権で②を2級に改定したから、提出した額改定請求(3級→2級)は不要です。」という意味合いで、形式的なものです。
なお、当社が遡及請求時に提出した額改定請求書は、すべて保険者職権で改定(3級→2級)されており、不服申立て手続きに移行したことはありません。
- 小西 一航
- さがみ社会保険労務士法人
代表社員 - 社会保険労務士・精神保健福祉士